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2013年8月18日 (日)

見てきました「風立ちぬ」

ジブリ最新作「風立ちぬ」を見てきました。
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いやー良かったです。

まずは、ジブリ作品の常として、映像の美しいこと。
青い空や草原の緑、そして湧水の流れや風まで、キラキラと輝いていました。

次にストーリーですが、ジブリの多くの作品同様に、とてもシンプルです。
飛行機が大好きな主人公の、少年時代から青年まで。
夢と恋を、ストレートに描いています。

「夢」と言いますか「仕事」ですね。
ジブリ物では非常に珍しいと思いますが、リアルな航空技術などの描写も面白かったですねぇ。
珍しい演出として、主人公の寝ている方の「夢」のシーンが多く登場します。
その中で、あこがれの設計技師に会ったり夢の飛行機に乗ったり。

「恋」の相手も、すごく良かったです。
関東大震災での出会い。軽井沢の高原での再会。感動的な結婚式。

という訳で、私はとても満足しました。


ただし。
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」などとは大違い。
小さいお子さんなど、前提知識がないと「話が良く分からない=つまらない」かも知れません。

・主人公のモデルは、かの有名な「零戦」の設計者
・東京帝大を出て三菱航空機に就職
・試作機は「逆ガルウィング」
・非力なエンジンを補う「機体の軽量化」
・空気抵抗を減らす「沈頭鋲」

私は50代のおっさんです。
私の世代ではマンガやプラモデルなど「戦記物」が沢山ありました。
ですので、こういったお話は、普通に常識として知っています。
ですが、お若い方にはさっぱり分からないでしょう。

現実と夢のシーンが、唐突に切り替わります。
夢の方は、飛行機が現実の物ではないので、すぐ分かります。
ですが「ユンカースG-38」のような、それこそ夢に出てきそうな飛行機も登場。
人によっては、現実か夢か迷ってしまいそうなシーンもありました。

その他、時代背景の面でも色々あります。挙げるとキリがなのですが、、、
・仕事帰りに買うのは「シベリア」
・いつでもどこでもタバコ
・家族を顧みずに仕事に没頭
・高原の結核の療養所
そりゃぁ禁煙推進団体からも要望書がきますよ。
結核患者の目の前でタバコ喫ってますからね。

とにかく、監督さんが「作りたい物を作りたいように作った」のでしょう。

もちろん私だって、何から何まで分かっている訳ではありません。
日本軍に当時「逆ガルウィング」の飛行機なんてあったっけ?と思いながら見ていました。
調べたら、試作機が1機だけ作られたのですね。
堀辰雄「風立ちぬ」は大昔に読んだ覚えがありますが、トーマス・マン「魔の山」は未読です。
「風立ちぬ いざ生きめやも」も復習しないと。
超久しぶりに「シベリア」も食べてみたいし。

一緒に映画を見た息子は、今日さっそく「所沢航空記念公園」に行きました。
私も以前見た、零戦の実物展示と「堀越二郎の生涯」展を見てくるとのこと。

とにかく、美しく楽しく悲しく、ディープにマニアック。
汲めども尽きぬ、しかけ満載の映画ですね。

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