見てきました 映画「蜩ノ記」
直木賞作家の葉室麟のベストセラー小説を、『雨あがる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化した人間ドラマ。
無実の罪で3年後に切腹を控える武士の監視を命じられた青年武士が、その崇高な生きざまを知り成長していく姿を
師弟の絆や家族愛、夫婦愛を交えて描き出す。
過酷な運命を背負いながらもりんとした主人公に役所広司、その監視役の青年には『SP』シリーズの岡田准一。
そのほか連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の堀北真希や、ベテラン原田美枝子が共演を果たす。
秩父ウォークの講師のOさん。
山や植物はもちろん、秩父の歴史や札所にも詳しく、お話も上手な方です。
そのOさんが、小説「蜩ノ記」を読み大変良かったので映画が楽しみだ、と言っていました。
それでは、原作は読んでいませんが、映画を見てきましょう。
最近では珍しい位、観客が多かったです。
やはり中高年の方が大半ですが、若い方や家族連れも。
えー、感想です。
役所広司さんは渋かったですし。
岡田准一さんの居合のシーンも格好良かったですし。
堀北真希さんの舞いもキレイでしたし。
「武士の生き方」といった部分が、強く描かれていましたね。
主人公の家の額は「義勇」。義を見てせざるは勇なきなり。
子どもたちの学ぶ様子もやはり「論語」です。
子曰く、学びて時にこれを習う、亦説ばしからずや。などなど。
個々のシーンとしては、見せ場が沢山あったのですが。
全体の物語として見ると、どうも繋がりが良くないように感じました。
・些細なトラブルで城内で刃傷沙汰になった岡田准一さん。
久し振りにあった相手は「あの時は逆上」と言い訳するだけ。
・村に来て農民に無理を押しつける代官に対し、役所広司さんがうまく話をつけます。
その帰りに、農民は密かに代官を殺してしまう。
あれ?
代官は、家来も連れずに一人で来たの?
話はついたのに、村人はなぜ代官を襲うの?
・水戸黄門に出てくるような、典型的な悪者の家老。
役所広司さんに一発やられただけで、あっさり改心してしまう。
足袋を自分で繕うなど、藩の財政立て直しを進めているような描写もありますが。
などなど。
原作に沿ってまとめるために、こうなってしまったのでしょうか。
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コメント
葉室麟さんの原作を読んだ者として書きます。
直木賞受賞作「蜩ノ記」は発売部数70万部を超えたベストセラーです。
原作を読んでいる読者の中には映画に多少の違和感を覚える人もいると思います。
原作には出てこない柚子の花があったり病弱なはずの秋谷の妻、織江が元気ハツラツだったり、原作が映画化される時点で原作者から映画の脚本家の手に移るのでしょう。原作と映画は似ていても異なものと考えるべきでしょう。幸い原作を読み込んでいたので映画では映像化されていない部分も分かっているので楽しめました。
投稿: ひろ | 2014年10月14日 (火) 09時32分
ひろさん、はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。
ひろさんは、原作のファンでいらっしゃるのですね。
この作品に限らず、小説の映像化は難しい面がありますね。
私は不勉強で、葉室麟さんの小説はこれまで読んだ事はありませんでした。
ウィキペディアを見ますと、かなり良さそうな方ですね。
遅ればせながら、私も原作を読んでみることにしますので。
投稿: 缶コーヒー | 2014年10月14日 (火) 23時14分