見てきました 映画「息子」
一昨日行った自主上映会に、また行ってきました。
上映室は2室あります。
片方が先日の「もういちど」。こちらはデジタル上映。
今日これから見るのが、もう片方のフィルム上映。
山田洋次監督の「息子」です。
1991年作品。
私も以前見た覚えはあるのですが「ながら見」のようで記憶があいまいです。
つい先日も、BSで放映していました。
会場は6割程度の入りで、年配の方が多かったです。
多少のざわつきは、雰囲気のうちでしょう。
さて上映開始ですが、画面の傷も雑音も、かなりのもの。
ですが、内容の理解には、何の不足もありません。
このように35mmフィルムの映画を見るのは、おそらくこれが最後の機会です。
映画の後は、映写室の見学もありました。
こちらは、以前もご紹介した、山田洋次監督からのメッセージ。
さて、映画自体の感想です。
まずは内容をざっとご紹介。
岩手の山奥に暮らす父の三國連太郎。
子どもたちは家を離れ、奥さんを亡くして一人暮らしです。
大企業に勤務する長男は、都内の高層マンション暮らし。
三國連太郎は、長男宅を訪ねても、居心地が悪い。
次男の永瀬正敏も、都内でフリーター。
仕事の配送先の和久井映見に惚れるが、彼女は耳が不自由。
父は、戦友会の翌日は次男のアパートへ。
思いがけず次男の恋人に会い、結婚を考えていると告げられる。
小津安二郎の「東京物語」と、大変よく似た展開なのです。
ですが、ラストシーンの印象は、ぜんぜん違うんです。
あちらは真夏、がらんとした家で、一人座ってうちわを使う。
こちらは真冬、大きなFAXの箱を下げて、積雪の中を喘ぎながら家に帰る。
一人暮らしの事情は同じですし、「東京物語」でも次男には恋人がいます。
ですがこちらでは、耳が不自由で、加えて秋葉原で買ったFAXが登場。
このあたりが、良いですねぇ。
きっとFAXには、心楽しい内容が届くだろうという、先に繋がるエンディングです。
このような暖かさが、さすが山田洋次と感じます。
このような名作がありながら、なぜリメイク「東京家族」を作ったのか、不思議です。
原作は、椎名誠の「倉庫作業員」です。
こちらについても書きたい事もあるのですが、項を改めます。
おまけです。
カウンターにあった「トランスフォーマー」のメダル。
入場者へのプレゼント品の余りなのでしょう。
ここで働いていた方が持ってきた物のようです。
記念にひとつ頂いて帰りました。
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