世の中にたえてバイクのなかりせば
古今和歌集の中の、在原業平の歌です。
世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
ネットから解釈を転載します。
・現代語訳
この世の中に、桜というものがなかったら、春をのどかな気持ちで過ごせるだろうに
・解説・鑑賞のしかた
春の季節には、桜があるために人々の心が穏やかでないことを述べて、
人の心を騒ぎ立てる力のある桜の素晴らしさを伝えようとしている作品です。
これは受験勉強レベルの解釈で、文学的にはもっと深い見方もあるようです。
高校生以下の私としては、ごく普通に「まったくその通りだ」と思います。
私の住む埼玉県の平地では、染井吉野は花吹雪になっています。
その上、連日天気が悪く、8日には雪まで降りました。
毎日桜の木を眺めてそわそわしていたのですが、私も平常心に戻りつつあります(^^;
バイクに復帰するまでは、こんな思いはありませんでしたね。
せいぜいシーズンに一度くらい、その辺の公園の桜でも眺めれば充分満足でした。
それがもう、週間天気予報を毎日気にしたり。
このブログでご報告のように、天気も悪いのにあちこちチェックして回ったり。
すっかり感覚が変わったのは、バイクに復帰してからです。
私は、以前は毎日2箱では済まないヘビースモーカーでした。
数年前に禁煙したおかげで、咳き込みも減りましたし、食べ物の味の感じ方も変わりました。
ちょうど同じように、バイクに復帰したおかげで、季節の感じ方が大きく変わりました。
バイクに乗る方は、お分かりですよね。
暑いし寒いし濡れるし風が当たるし疲れるし。
逆に言えば、暑さ寒さや湿り気や匂いや日差しなど、季節の移ろいを全身で感じることができます。
これはもう、クルマなどではちょっと味わえない感覚ですよね。
そしてこの感覚は、バイクに乗っていない時にも呼び起されます。
この延長として、ここ数年、月に一度のウォーキングを続けています。
これはまぁ、旅行会社の企画に乗っているだけですが。
それでも、季節の移ろいはもちろん、名所旧跡や植物など、見える世界が広がったと感じます。
歩いた場所を、改めてバイクで走ってみることも、しばしばありますし。
そんなことを感じながら、もう8年。
私も、50代の後半になってしまいました。
体力視力気力はもちろん、先日の椎名誠のように、感性まで衰えています。
それでも、バイクのおかげで「たえて桜のなかりせば」に、大いに共感できる。
まったくありがたいことです。
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