世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」周辺の遺産群 その5
最後に、埼玉県本庄市児玉町に戻り、競進社模範蚕室です。こちらも入場無料。
高山社の高山長五郎の弟、木村九蔵が明治27年に建設した養蚕教育施設です。
木村九蔵は「一派温暖育」という飼育法を提唱しました。
炭火の火力で蚕室の湿気を排除し、換気も良くして蚕の病気を防ぐというものだそうです。
建物がしゃきっとしていると思ったら、移築だそうです。
ちょうど小学校高学年位の子が帰る所でした。
係の方に聞いたら、養蚕に興味があり良く遊びに来る子だそうです。
それは頼もしい(^^)
まずは建物をざっと眺めます。
一階床下には煉瓦の炉があり、天井はすき間の空いた「小間返し」で、二階まで換気。
更に、屋根設けられた高窓は、ひもで引っ張って開ける工夫がありました。
さすがは移築建築。天井の電線「碍子引き配線」も、美しいですねぇ。
養蚕の道具は年代順に展示されており、繭を作る「まぶし」の変遷など良くわかります。
この競進社は、名前や場所を変え、現在の埼玉県立児玉白楊高等学校につながるそうです。
常駐しているのは、60代位の男性の館長さんだけでした。
子どもの頃に養蚕を手伝って「まぶし」から繭を外した話や、桑の実を食べたことなど。
実体験に基づく説明が聞けました。
模範蚕室という言い方も、当初からそう称した訳ではないそうです。
模範的な事例として、いつの頃からかそう呼ばれるようになったとのこと。
そう言えば「吾輩は猫である」の中でも「模範勝手」という表現がありましたっけ。
というわけで。
今日の見学先は、すべて無料。
その上、どこでもゆっくり説明を聞いて、印刷物も沢山貰って。
お昼にこんにゃくパークに行ければ、パーフェクト!ですね(^^;
それにしても。
「遺産」って、どう考えればよいのでしょうか。
ですが、考えてみれば富岡製糸場だって、新しい機器を備えた昭和62年の姿です。
無理やりバイクの例え話です。
「往年の名車」が、あったとして。
・長く乗り続け純正部品で大事に整備して、往年の姿のまま今に至る。
・足回りや灯火類などカスタムし、今でも現役でガンガン使い倒している。
・不動車を磨いて塗ってメッキしてリプロパーツで固め、新車同様にレストア。
どれが良いですかね。
人によって、感じ方は違うとは思いますが。
世界遺産になった施設、惜しくもリストから外れた施設。
観光や見学の満足感は、そういった肩書とは比例しないもののようです。
人によって、感じ方は違うとは思いますが。
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コメント
また今度世界遺産トークしましょー
投稿: しげき | 2015年9月21日 (月) 01時19分
しげきさん、コメントどうもです。
こちらも遺産「群」ですが、さらに広域な事例もあるようですね。
そんなトークもしたいですね(^^)
投稿: 缶コーヒー | 2015年9月21日 (月) 22時04分