浦沢直樹「ひとり漫勉」その3
2016年1月24日(日)の「世田谷文学館 浦沢直樹展」のイベント「ひとり漫勉」ご報告の3回目です。
なんとか、今回で終わらせましょう。
いよいよペン入れです。
ライターを忘れたそうです。
「誰か持っていない?百円ライターで良いのだけれど」
「火気は禁止かもしれないけれど、ちょっとあぶるだけだから」
スタッフの方が届けます。
ライターには、ゴルゴ13の横顔に「すべて忘れろ」というセリフ。
「いいね―これ(笑)」
ペン先の油分を飛ばすために、軽くライターであぶります。
まずは、ペン先の紹介。
ペン先の種類は、Gペン、丸ペン、日本字ペン。
まるで筆のように、繊細な線から一気に太い線まで描いて見せてくれたり。
固いペンで、髪の毛のような平行線と少しずらして重ねた線を見せてくれたり。
各コマへのペン入れは、左上から右に進みます。
原稿を汚さないためですね。
しりあがり寿さんは、右からだそうです。
「漫画は順に描く」と言っていたそうです。
同じ絵柄は、今はコピーして貼るのですが、今日は手描き。
インクは墨汁。
師匠から「こぼしたりしないの?」と質問。
しないそうです。
アシスタントはたまに、コーヒーをこぼしたり。
あぁーと悲しそうにしている。いいから早く食い止めろと。
会場入り口にも展示してあったビリーバットの1話2話。
カラーなのですが、これの色は自分で塗ったそうです。
師匠から「アシスタントの仕事ではないの?」と質問。
同じ青でもなんとかブルーとか、色は説明が出来ないとのこと。
資料の話です。
録画で映画を見たら、例え内容がアレでも、全てディスクで保存する。
記憶力が良くないと漫画家は無理。
例えば、こんな風にヨーロッパの街並みを描いて。
(これも貼り出しはされていません)
アシスタントに、資料室の赤いアルバムの写真、と指定する。
160%の拡大コピーで持ってきてもらうと、ぴたりと重なると。
話しながらも、横着太郎のペン入れが、どんどん進みます。
念力のコマは、まるで星飛雄馬みたい。
アニメの巨人の星のお話。
3チームで分担しているが、荒木伸吾のチームは良かった。
一方、ちょっとアレなチームもあった。
このままだと、大リーグボール一号が花形に打たれる回が、そのチームになる。
心配していたら、グラウンドキーパーの話が入り、回避された。
師匠「えー、そんなことまで気にして見ていた子どもは他にいないでしょ」
庵野秀明のアマチュア時代の怪獣映画。
当時は、怪獣を真横から撮っていて、巨大さが伝わらない。
庵野秀明は下から仰ぎ見るように撮っていた。
横着太郎のペン入れの中で、表情のポイントは、涙袋とのこと。
スクリーントーンも貼ります。
テレビの裏側の表現と、窓からカーテンにかけての西日の表現。
これで、1ページのギャグ漫画が完成!
(消しゴムは省略です)
その後、ビリーバットを、さらさらと。
最後に倉本美津留さんが登場し、お二人でギターを弾きながら歌います。
これだけでも、ちょっとしたコンサートのような盛り上がり。
「・・・賢くなりたい・・・賢くなりたくない」。
漫勉のエンディング曲といったお話があったようですが、そうでしたっけ。
会場でCDが先行販売されていましたが、それに入っているのでしょうか。
以上で終了です。
ロビーには、イベント中に描かれたもの8枚が、ボードに貼り出されました。
他の分は、前にご紹介しています。
先の通り、ネットにアップ禁止などの注意は特にありませんでした。
その後、サイン会です。
一人一件。会場で購入したガイドブックかCDに限るとのこと。
参加用紙に書いて貰いたい名前やニックネームを事前記入。
並んでいると、先生のお疲れと時間短縮のため、名字か名前だけにして欲しいと。
短くお話をして「どうもありがとうございます」と、笑顔で握手して下さいました。
倉本美津留さんがロビーにいらっしゃいました。
声をかけて、撮影させて貰ってよいかと聞くと、、、
「僕でいいの、じゃぁパネルの前で一緒に撮ろう」という、ありがたいお言葉。
いやーもう大満足。
元々バンドをやっていらしたからでしょうか。
興味深い内容はもちろん、トーク自体も大変楽しかったです。
どうにもたまらなく、楽しい時間でした。
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