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2016年8月 3日 (水)

見てきましたが 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」のPART2

JUL 30 2016 10 00 のバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2。

あと一回だけ失礼します。

PART2での、たび重なるタイムトラベルとパラレルワールドの解釈について。

第一作で描かれるタイムトラベルは、過去との往復の2回だけです。
その前に、犬のアインシュタインの短時間での実験もありますが。

これに対し、PART2では6回で延べ11人。
その分、話も複雑になります。

 1.1985年から2015年へ(ドク・マーティ・ジェニファー)君たちの子どもが大変だ 
 2.2015年から1955年へ(老ビフ)若いビフにスポーツ年鑑を渡す
 3.1955年から2015年へ(老ビフ)戻ってくるが世界は変化なし
 4.2015年から1985年へ(ドク・マーティ・ジェニファー)老ビフの行動が反映した世界
 5.1985年から1955年へ(ドク・マーティ)スポーツ年鑑を取り戻しに行く
 6.1955年から1985年へ(ドク)マーティは取り残される

タイムトラベルもので、昔は良く語られた「親殺しのパラドックス」。
ここから抜け出す「パラレルワールド」という概念がありまして。

ご存知の方も多いでしょうが。
様々な可能性の結果として、無数の世界が並行して存在するという考え方です。
PART2でも、ドクが図を書いてマーティに説明しています。

第一作では、過去から現代に戻ると、マーティの家庭環境は激変します。
PART2も同様に、あっと驚く変化が生じます。

ところが、PART2のタイムトラベル中の、2と3です。
老ビフは過去に大きく介入して戻ってくるのですが、世界は元のままのようです。
この部分は、様々な解釈が出来ると思います。

 ・老ビフが大富豪になるパラレルワールドが生じ、デロリアンと老ビフは並行して両方に存在する
 ・この後、ドクやマーティが老ビフの介入を取り消すので、変化は生じない
 ・変化しているのだが、マーティたちも観客の私たちも自覚がない    などなど。

この件については、筒井康隆の「七瀬ふたたび」に衝撃的な描写があります。
「家族八景」「エディプスの恋人」と共に、七瀬三部作と呼ばれるSF小説です。
1975年作品。もはや古典と言うべきかも知れません。

ざっとのあらすじ。

 火田七瀬は、人の心を読むことが出来る超能力者です。
 彼女と数名の超能力者の仲間は、敵に抹殺されそうになり、逃げ回っています。
 逃避行の中で、彼女はタイムトラベラーの藤子とめぐり会います。
 何かあれば過去に戻って無かったことに出来る、究極の超能力者です。
 しかしその藤子は、自分の能力に疑問を抱きます。
 「危機に遭遇し私の能力で過去に逃れたあと、元の世界はどうなるのか?」
 「私を失った仲間たちには、より悲惨な未来が待ってるのではないか?」

以下、小説から数行抜粋です。

 あっ、と七瀬は思った。
 藤子の考えているのはいわゆる多元宇宙であり、彼女は時間旅行者
 としての自分の存在が、つまり彼女の時間旅行が、多元宇宙の発生に
 つながっているのではないかと疑っているのである。
 そして藤子は、自分の新しく発生させた宇宙が、悪しき宇宙に違いない
 という考えを抱いてしまっているのだ。

そして七瀬は、藤子に向かい「元の世界は消えてなくなるのよ!」と説得しますが・・・

藤子の考え方を採れば、PART2のマクフライ家の悲惨な歴史は、パラレルワールドで今も続いていることになります。

この考え方は、当然第一作のタイムトラベルにも当てはまります。
でもあちらは、情けない暮らしではありますが、結構楽しそうでしたので、まぁ良いかなと。

というわけで。
私は、このロジックにも気がそれてしまい、映画に集中できませんでした。
この感じは、、、以前の山田洋次「母と暮らせば」と同じです。

エンディングでは、ドクは未来に帰り、マーティだけが1955年に取り残されます。
その後に、西部開拓時代など、PART3の予告のような映像が続きます。
まるで「次は楽しいコメディだよ」と、言い訳をしているようです。

この点も「母と暮らせば」と、わずか3ヶ月後の「家族はつらいよ」に似ています。
ポスターには「今度は喜劇です」というキャッチコピーまで、ありましたからね。

さぁて、気を取り直して、PART3に向かって、目的時刻をセット!

 AUG 06 2016 10 00  
DESTINATION TIME

これはもう、楽しいですからね(^^)

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