小椋佳「春なんだなあ」
この季節になると思い出す歌です。
小椋佳「春なんだなあ」
学生が自分らの青春に気附かずに
街なかをさざめいて歩いている昼休み
春だ 春なんだなあ
老人の顔にも赤味がさして
肉屋ではコロッケをあげている人だかり
花屋にはアネモネがわれ先に溢れてる
若者がすれちがう娘らをふりかえる
何気ない素振りして駿河台一丁目
春だ 春なんだなあ
老人の肩にも陽射しが踊り
楽器屋はレコードを流してる愛の唄
本屋では新しい教科書を売り出した
娘らはお互いに腕を組み語り合う
一せいに笑い出し立ち止まり笑い継ぐ
春だ 春なんだなあ
老人の顔にも微笑みが浮び
実験の器具を売る店先のフラスコに
アネモネの赤い花空の雲映ってる
学生の流れには新しい顔がある
鈴懸の並木路 芽がうるむ背伸びする
春だ 春なんだなあ
春だ 春なんだなあ
シングルレコードのリリースが、1977年3月10日。
ちょうど私も、駿河台一丁目あたりで学生生活を送っていた頃。
学生街にも肉屋がありましてね。
揚げたてコロッケやポテサラを、その場でパンに挟んでくれるんです。
お昼時には、いつも学生が群がっていました。
本屋はもちろん、実験器具や製図用具のお店とか。
で。
探すと出てきました。当時のシングルレコード。
DKQ1010 Kitty ポリドール
A面:君の肩越しに
作詞・作曲:小椋佳 編曲:星勝 (3'13")
B面:春なんだなあ
作詞:藤村渉 作曲:小椋佳 編曲:星勝 (3'07")
ジャケットには「春なんだなあ/君の肩越しに」とありますが、
レコードのラベルは、なぜか逆。
この曲は、CD「渡良瀬逍遥」にも入っているのですが、アレンジがぜんぜん違うんです。
そこで、先日「埼玉国体」のために買ったプレーヤーでMP3に変換(^^)
音質まで、当時の雰囲気そのまま(^^;
あらためてレコードを出してみて、気づいたことが二つ。
ひとつは、作詞者です。
小椋佳ではなくて藤村渉という方。
だれかと思ったら、あのセゾングループの堤清二。
実業家で小説家で詩人だったという、すごい人。
もうひとつが、歌詞です。
学生の流れには新しい顔がある
鈴懸の並木路 芽がうるむ背伸びする
あれぇ。
うるむのは「目」ではなく「芽」だったのか。
40年間、ずーっと勘違いしていました。
そうと気づけば「芽がうるむ」は、なかなかうまい言い回しだと思います。
ネットで探してみたら、こんな合唱曲がありました。
めばえ(みずかみ かずよ 詩)
みごもる ははのだいちは そこぶかくたいどうをはじめた
いてついた かたいつちのおもては つかれきって ねむったままだけれど・・・・
きびしいさむさからまもられて ふくらみつづけた ちいさないのちたち
おしあい へしあい ぐいぐいと あふれるちからで くらやみから ひかりへむかって のびあがってくる
つたわる つたわる ちからづよいこどう
ふるえる ふるえる ゆるみはじめたたいき
はるのめは やがて いっせいに うるむ
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