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2017年6月27日 (火)

見てきましたが、、、、、映画「メッセージ」

映画.comから抜粋です。
 劇場公開日 2017年5月19日
 ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。
 言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、
 “彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。

公式サイトの予告編動画の冒頭はこうです。
 人生の転機は突然やってくる
 娘を失った言語学者ルイーズ
  あなたに力を借りたい
  これは・・・
 ある日現れた謎の飛行物体が彼女の運命を変えた

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へぇー、これは面白そう。

古今東西、様々な宇宙人が地球にやってきました。
セミのような顔で大きなハサミを振り立て「フォッフォッ」とか言ったり。
子どもの自転車のカゴに乗って夜空を飛んだり。
来訪目的は、侵略だったり調査だったり。

異星人との意思疎通に、真正面から取り組んだこともありました。
光と音で「トテチテタ~」という、第三種接近遭遇。
その後、豪華絢爛な宇宙船は、すぐに飛び立ってしまいました。

さて、この「メッセージ」です。
言語学者と理論物理学者が組んで、宇宙人と意思疎通をはかる。
一体どんな手法を使うのか、そして宇宙人の来訪目的は何か。
なるべく事前情報は見ないようにして、映画館へ。


ところが、大変残念な結果となりました。

以下、主な流れをメモします。
黒字は主な話の流れ
青の[挿入]は、途中で突然入る、挿入シーン。
赤の[解釈]は、私なりの挿入シーンの解釈。

・世界12か所に、高さ450mの巨大宇宙船が出現
・アメリカでは、軍隊主導で宇宙人との意思疎通計画が発動
・一人暮らしの女性言語学者ルイーズが対応を依頼される
※挿入:ルイーズの出産、子育て、成人した娘の死までの光景
 [解釈:彼女は、過去にそのような経験をしたのだろう]

・仲間には男性の理論物理学者
・共同で言語学的手法による宇宙人の文字解析を進める
※挿入:娘との会話で、ルイーズは「数学的な単語ならお父さんに聞けば」と答える
 [解釈:娘の父親は理系の人、話の中で該当するのは理論物理学者だけ]

※挿入:「自分のひと言で夫と別れることになった」といった発言
 [解釈:相手が理論物理学者なら、なぜ今平然と仕事をしているのか?]

・中国では宇宙人の意図が曲解され、武力攻撃が計画される
・ルイーズの研究も、かなり進んでいる
・宇宙人は、突然大量の文字を一度に提示する
・宇宙人の来訪意図が分かる、3000年後に地球人に助けられるので、何かを届けに来た?
 [解釈:宇宙人は時間の流れを超越した存在らしい]
※挿入:ルイーズが著者らしい、宇宙人言語の研究本が出版される
 [解釈:本の出版は、どうも未来の出来ごとらしい]
※挿入:ルイーズはパーティで中国軍の責任者と会う
 [解釈:友好的な様子から、パーティは本の出版記念か世界平和樹立?の記念らしい]

・中国の武力攻撃の時刻が迫り、アメリカでも反撃を恐れ撤退が始まる
・ルイーズは衛星携帯電話で中国軍の責任者を説得し、攻撃を中止させる
 [解釈:挿入映像は、すべて未来の出来ごとなのが明らかになる]

・ルイーズと男性の理論物理学者の2ショット
 [解釈:ルイーズは、未来で子どもを失うのを覚悟で、理論物理学者の愛を受け入れる]

ざっとこんな感じです。

これは、どうも参りました。
何度も時間の流れから逸脱した、未来の光景が挿入されます。
これは、どう解釈するのでしょうか。
 ・解釈1:彼女の記憶?脳裏に浮かんだ?映像
 ・解釈2:彼女に関わりない、演出上の挿入映像

もしも解釈1ならば。
未来の出来事を知っている?見せられる?事に大して、彼女は何の反応もしません。
娘を失うというショッキングな映像です。平然としているのは不自然でしょう。
例えば「不思議な夢だった」と語るとか、深刻な表情を見せるなどすれば、納得なのですが。

もしも解釈2ならば。
一種のファンタジーとして、それで構いません。
ところが、最後のパーティの中国軍人の映像は、その後の行動の重要なキーになります。
としますと、この解釈を採ることは出来ません。

やはり、解釈1:彼女の記憶?脳裏に浮かんだ?映像 と考えざるを得ません。

ということは、観客に「あの挿入映像は過去だ」と、意図的に誤解させているとしか思えません。

 亡くなった娘さんは、10代後半か20代位かな。
 であれば、ルイーズ先生は大体40代か。
 若く見えるけど、外国人の年齢は分からないからなー。
   :
 あれー、アレは過去ではなくて、未来だったの?

いやー、やられましたね。

ラストで、ルイーズは理論物理学者の愛を受け入れるようです。
二人とその娘には、やがて悲劇的な未来が訪れるのを知りながら。
これこそが、この映画のキモでしょう。

ここでちょっと、他の映画も持ち出します。

例えば「2001年宇宙の旅」です。
前半では科学的考証に基づいた、素晴らしい宇宙旅行が描かれます。
パンナムの定期旅客宇宙船で客の居眠りとか、惑星間飛行の調査宇宙船とか。
最後に幻想的なシーンに切り替わりますが、その切り替わりは明確です。

例えば「君の名は。」です。
体が入れ替わった高校生ふたりの様子が、交互に描かれます。
当然同時進行かと思ったら、実はふたりの時間には、数年の隔たりがあります。
それは、曜日の勘違いやカレンダーの年号などで、観客にも分かるように表現されています。

これらに比べますとねぇ。
意図的に観客を混乱させて、かえって感動を削がれているように思います。

ウィキペディアで、受賞歴を確認です。

 ・2017年度全米脚本家組合賞では、脚色賞を受賞
 ・第70回英国アカデミー賞では9部門にノミネート、受賞は音響賞のみ
 ・第89回アカデミー賞では8部門にノミネート、受賞はアカデミー音響編集賞のみ

脚色音響、なるほどね。

ウィキペディアで、あらすじを確認です。

 ルイーズは母子の光景のフラッシュバックに悩まされる。
 そこに自分は母として登場し娘は病で死ぬ。
 彼女は娘を持ったことがないため、なぜそれが過去の記憶のように感じられるのか分からない

へぇ。
フラッシュバックに「悩まされて」いたのですか。
私は全く分かりませんでした。

 ルイーズはヘプタポッドの言語を学ぶにつれ、ヘプタポッドのように未来を認識することができるようになっていた。

へぇ。
つまり、未来の挿入シーンは、最初は無自覚、後半では自分の意志で見たのですか。
私は全く分かりませんでした。

ウィキペディア先生がそう言うなら、私の理解力が足りないのでしょう。
原作を読んでから映画を見て、したり顔ドヤ顔で語る、そんな映画だと私は思いました。

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