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2017年9月 8日 (金)

見てきました映画「関ヶ原」

先日公開された映画です。
テレビCMはもとより、スーパーにまでチラシが置いてあったり。
派手な宣伝が目に付きます。
Sekigahara_201709
 累計部数580万部超!司馬遼太郎『関ヶ原』が完全映画化!
 日本映画界屈指の監督・キャストで描く空前絶後の戦国エンタテインメント超大作!

原作は、あの司馬遼太郎先生の長編。
そして昨年は、NHK大河ドラマ「真田丸」を楽しんだばかり。
同じ時代が、違う視点でどう描かれるか、これは楽しみです。

何しろ原作は3巻に及ぶ大作です。
どのように2時間半の映画にまとめるか、そこも興味深いところです。


さーて始まりました。
はじめに、少年時代の司馬遼太郎が登場。
これに加えて、小説の冒頭部分のナレーション。
そして、有名な豊臣秀吉と少年の石田三成の出会いのエピソード「三献茶」に繋がります。
これは上々のすべり出しだと、嬉しくなりました。
ところが。

あとはもう、画面がどんどん切り替わり、主要なエピソードが次々と展開。
さすがに、場所や人物名程度は画面に表示されますが、なんとも慌ただしい。
もうストーリーを追うだけで精いっぱい。

もう少し、どうにか出来なかったでしょうか。

たとえば、家康の会津征伐に対して三成が上杉との挟撃を計画するシーン。
部屋一杯に敷物や置物を並べ、それを地図に見立てて話をします。
そんな凝ったことをする代わりに、普通に紙の地図で説明してくれればよいのに。

会津征伐に関しては、直江兼続は出ますが直江状は出て来ません。
これは、家康が書状に激怒した訳ではなく、会津征伐すべて策略だったという描き方ですね。
ついでに、上杉景勝は出ません。

これも有名な、細川ガラシャが西軍の夫のため屋敷に火を放って自害するエピソード。
それがただ、屋敷が火事だと騒ぐだけだったようです。

関ヶ原の合戦のキモといえば、小早川秀秋の寝返りでしょう。
確か原作では、秀秋は愚かな人物で家康の恫喝により寝返ったと記憶しています。
映画では、家臣たちが情勢を見極めて?秀秋の意に反して?事を進めたようでした。
原作と違っても、それは構わないのですが。
もう少し分かりやすく、盛り上げる演出があったらと思います。

キリがないので、このへんで。

まぁねぇ。
こういった映画のキモは、どこを刈り込みどこを強調するかの方向性でしょう。
とにかく、あれこれ盛り込んでいたら、何時間あっても足りないですもんね。
それでも、ねぇ。
繰り返しになりますが、もう少し、どうにか出来なかったでしょうか。

もちろん、良い見どころもありました。

豪華絢爛の俳優陣による、家康や三成など迫力のある武将っぷり。
人気絶頂の有村架純をはじめ、忍者の暗躍も面白い。
薩摩弁や三河弁は、すごいリアリティでした。
当時は、各地方で言葉も気質も大きく違う、別の国だったことが、良く伝わってきました。

そのように、個々のシーンは結構見応えがあったのですが。
全体としては、なんとも盛り上がりに欠けて平板な印象です。

ちょっときつい例え話ですが。
 豪華料理を平らげはしたものの、急いで食べたおかげで、
 心地良い満腹感ではなく、ただの腹部膨満感 、、、
という感じでしょうか(^^;

この監督さん、2年前の「日本のいちばん長い日」リメイクの方でした。
あちらも、オリジナルには遠く及ばない、ダイジェスト版のような出来でした。
残念ながら、今回も同じだったなー、と思います。

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