見てきました映画「関ヶ原」
先日公開された映画です。
テレビCMはもとより、スーパーにまでチラシが置いてあったり。
派手な宣伝が目に付きます。
累計部数580万部超!司馬遼太郎『関ヶ原』が完全映画化!
日本映画界屈指の監督・キャストで描く空前絶後の戦国エンタテインメント超大作!
原作は、あの司馬遼太郎先生の長編。
そして昨年は、NHK大河ドラマ「真田丸」を楽しんだばかり。
同じ時代が、違う視点でどう描かれるか、これは楽しみです。
何しろ原作は3巻に及ぶ大作です。
どのように2時間半の映画にまとめるか、そこも興味深いところです。
さーて始まりました。
はじめに、少年時代の司馬遼太郎が登場。
これに加えて、小説の冒頭部分のナレーション。
そして、有名な豊臣秀吉と少年の石田三成の出会いのエピソード「三献茶」に繋がります。
これは上々のすべり出しだと、嬉しくなりました。
ところが。
あとはもう、画面がどんどん切り替わり、主要なエピソードが次々と展開。
さすがに、場所や人物名程度は画面に表示されますが、なんとも慌ただしい。
もうストーリーを追うだけで精いっぱい。
もう少し、どうにか出来なかったでしょうか。
たとえば、家康の会津征伐に対して三成が上杉との挟撃を計画するシーン。
部屋一杯に敷物や置物を並べ、それを地図に見立てて話をします。
そんな凝ったことをする代わりに、普通に紙の地図で説明してくれればよいのに。
会津征伐に関しては、直江兼続は出ますが直江状は出て来ません。
これは、家康が書状に激怒した訳ではなく、会津征伐すべて策略だったという描き方ですね。
ついでに、上杉景勝は出ません。
これも有名な、細川ガラシャが西軍の夫のため屋敷に火を放って自害するエピソード。
それがただ、屋敷が火事だと騒ぐだけだったようです。
関ヶ原の合戦のキモといえば、小早川秀秋の寝返りでしょう。
確か原作では、秀秋は愚かな人物で家康の恫喝により寝返ったと記憶しています。
映画では、家臣たちが情勢を見極めて?秀秋の意に反して?事を進めたようでした。
原作と違っても、それは構わないのですが。
もう少し分かりやすく、盛り上げる演出があったらと思います。
キリがないので、このへんで。
まぁねぇ。
こういった映画のキモは、どこを刈り込みどこを強調するかの方向性でしょう。
とにかく、あれこれ盛り込んでいたら、何時間あっても足りないですもんね。
それでも、ねぇ。
繰り返しになりますが、もう少し、どうにか出来なかったでしょうか。
もちろん、良い見どころもありました。
豪華絢爛の俳優陣による、家康や三成など迫力のある武将っぷり。
人気絶頂の有村架純をはじめ、忍者の暗躍も面白い。
薩摩弁や三河弁は、すごいリアリティでした。
当時は、各地方で言葉も気質も大きく違う、別の国だったことが、良く伝わってきました。
そのように、個々のシーンは結構見応えがあったのですが。
全体としては、なんとも盛り上がりに欠けて平板な印象です。
ちょっときつい例え話ですが。
豪華料理を平らげはしたものの、急いで食べたおかげで、
心地良い満腹感ではなく、ただの腹部膨満感 、、、
という感じでしょうか(^^;
この監督さん、2年前の「日本のいちばん長い日」リメイクの方でした。
あちらも、オリジナルには遠く及ばない、ダイジェスト版のような出来でした。
残念ながら、今回も同じだったなー、と思います。
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