赤穂義士外伝・天野屋利兵衛の「槍梯子」
先の通り、毎晩歩きながら、落語や講談を聞くのが楽しみです。
冬の定番と言えば「赤穂義士伝」。
寒くなって来たので、まとめて聞いてみましょう。
パソコンにため込んだ、赤穂義士の講談の音源が50本ほど。
大体1話30分、毎日2本で1か月位楽しめそうです。
日本三大仇討というのがありまして。
・曾我兄弟の仇討ち 1193年6月28日(建久4年5月28日)
・伊賀越の仇討ち 1634年12月26日(寛永11年11月7日)
・赤穂浪士の討ち入り 1703年1月30日(元禄15年12月14日)
この中で一番有名なのが「赤穂浪士」でしょう。
これを題材にした物語は、大きく二つに分かれます。
・忠臣蔵:歌舞伎や人形浄瑠璃の「仮名手本忠臣蔵」時代も名前も変えた創作
・義士伝:講談や浪曲など、関係者を本名で語る創作
赤穂「義士」は、赤穂「浪士」という言い方もあります。
これについては、ウィキペディアの大佛次郎の小説「赤穂浪士」の項で以下の通りです。
従来の『忠臣蔵』では、主君の仇をとる「義士」として捉えられていた47人を、
幕藩体制や時代風潮に抗う「浪士」として描いている。
赤穂義士伝の物語は、大きく三種類に分けられます。
・本伝:刃傷から討入、切腹までのメインストーリー
・銘々伝:四十七士の個人のエピソード
・外伝:脱落者や関係者のエピソード
このうち「外伝」は、例えばこんな感じです。
・天野屋利兵衛:義士の装備を手配した商人、捕えらえるが男でござると口を割らない
・和久半太夫:吉良家付人の四天王のひとり、化物退治など仕官までの経緯
・忠僕直助:義士のひとり岡嶋八十右衛門の家来、刀工となり三年かけて名刀を作り主人に届ける
・鍔屋宗伴:内匠頭の側用人の服部右内、浪人して江戸で茶道具屋として成功し、吉良屋敷の内情を探る
・俵星玄蕃:義士のひとり杉野十平次に縁のある槍の達人、討入の際に吉良方の援軍を阻止するため両国橋で仁王立ち
・小田小右衛門:大石蔵之助の介錯をした足軽、大石に身分を問われ物頭役だと偽り苦悩する
このうち「天野屋利兵衛」旭堂南左衛門の語りについて。
天野屋利兵衛は、恩のある浅野家のため、店をたたみ妻を離縁してまで義士を支援します。
討ち入りのための武装を手配したのが発覚し捕えられ、誰の注文かと拷問を受けます。
妻や子まで捕えられますが、有名なセリフ「天野屋利兵衛は男でござる」と口を割らない。
展開は、他の講談師や浪曲と同じなのですが。
旭堂南左衛門版では、槍、鎖帷子、龕灯などに続き「槍梯子」という物が出てきました。
なんと。
所持するだけで、本人のみならず縁者一同死罪になるという禁制品だと語られます。
ネットで調べると以下の通り。
大辞林 第三版 やりばしご【槍梯子】
たたみ梯子の一。石垣・屋根などへかけて乗り越えるのに用いた。
柄に筋金を入れ、銅輪をひねると、柄の内から板金が左右に出て、足をかけられる仕組みになっている。
ははぁ。
塀を乗り越える時にも使える、鍔の大きい「忍者刀」のような特殊装備ですね。
あれ?
赤穂義士の映画やテレビドラマは何本も見ていますが、こんな道具は見たことがありません。
討ち入りの時は、どれでも普通の梯子を使っていたと思います。
そもそも、義士たちは火消装束です。
大勢で梯子や掛矢など持っていても、不審に思われないように配慮しているわけで。
忍者道具の「槍梯子」など、いらないだろうと思います。
龕灯ではありきたりなので、ヒネったのでしょうか。
まぁ、細かい話は気にしないことにしましょう。
ちなみに。
槍梯子がどんなものか検索すると。
そのものずばりの画像は、ぜんぜん見つかりません。
戦国BASARA真田幸村伝というゲームと、槍ヶ岳登山の画像ばかり(^^;
幸村の兄、真田信之の技は超弩級の力技!
武器の“はしご槍”で勇猛に敵を斬り掴み、豪快に投げつけろ!
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