必見の価値あり
老舗の CAR GRAPHIC の流れを汲む、おしゃれ自動車雑誌です。
何やらの施設が「必見の価値あり」だそうです。
これは「一見の価値あり」と「必見」が、ごっちゃになったのでしょう。
念のため、ネットの辞書で確認。
まず「一見・・・」について。
実用日本語表現辞典では、こうです。
【一見の価値がある】
少なくとも一度は見ておくとよい、
一度は見ておくだけの値打ちがある、
必見、などの意味の表現。
goo辞書では、こうです。
【一見】
一度見ること。ひととおり目を通すこと。
「一見に値する」「百聞は一見に如かず」
では「必見」について。
「必見の価値」を掲載している辞書は無いようです。
goo辞書では、こうです。
【必見】
必ず見なければならないこと。見る価値のあること。
また、そのもの。
「必見の資料」「ファン必見の映画」
先の雑誌記事の「必見」は、どちらの意味でしょう。
雑誌に「必ず見なければならない」と命令されても困ります。
ここでは「見る価値のあること」という意味ですね。
つまり「必見の価値あり」では
「見る価値のあること」+「価値あり」と、二重になってしまいます。
Googleで検索してみます。
・一見の価値あり:約16,800,000件
・必見の価値あり:約23,800,000件
・一見:約 77,600,000件
・必見:約277,000,000件
どちらも「必見」の方が多いです。
今はもう、この用法が定着したということでしょうか。
というよりは、意味の強い「必見」の方が多用されているのでしょう。
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