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2019年10月25日 (金)

見てきました! 映画「真実」その2

映画「真実」の中で、大女優が撮影中のSF映画。
元ネタの本がありました。

母の記憶に
 早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
 ケン リュウ(著), 牧野 千穂(イラスト), 古沢 嘉通(翻訳)
 2017/4/20

買おうと思ったら、近所の図書館にあったので、借りて済ませます。
20191022
おぉー懐かしい。
私の若い頃の「ハヤカワ・SF・シリーズ」の復活版。
洋書のペーパーバックのような独特の体裁が、格好良いんですよねぇ。
早川の「ポケミス」ポケットミステリなどと同じ、縦長の新書判サイズ。
黒い表紙に銀の背表紙、小口と天地が茶色。
中学生の頃は、いかにも大人の読み物と感じて、あこがれたものでした。
本当は、横縞入りビニールカバーが付くのですが、図書館で外したのでしょう。

さて。
表題作「母の記憶に」です。
わずか数ページの短編。
 不治の病に侵され余命2年の母親は、亜光速宇宙船で旅立つ。
 宇宙船で過ごす数か月は、地球時間で10年以上。
 成長した娘と一日を過ごして、また数か月を宇宙船で過ごす。
 娘は幼年期から思春期、忙しい子育てを経て、老人に。
 娘と年を取らない母との、生涯を通した関わり合い。

アイディアとしては、古典的と言って良いでしょう。
物語は娘の一人称で描かれています、短編にまとめる効果的な手法です。
娘自身の変化はもちろんのこと。
父親や夫、少しづつ衰えていく母親の姿も描かれます。

なるほどこれは、なかなかの感動作です。
小説に描かれていない、様々なシーンが思い浮かびます。
 不治の病を知り、幼い娘を夫に託して未来の娘を見届けようと決心する母親。
 それを受け入れる夫。
 年を取らない母に会うたび、様々に心が揺れる娘。
それぞれの心情に思いが至り、短編ながらずっしりとした読後感。

このような作品を見出す是枝監督、さすがです。
いっそのこと、これを原作に長編映画を作ったら、どうでしょう?
 是枝監督初のSF大作!
 舞台は100年後の日本と宇宙船!
 年代別オーディションで、娘役はなんと5人!
母親の乗り込む宇宙船や未来の情景も、しっかり描き込んでもらって。
うーん、これは面白そう(^^)


話を戻します。
作者のケン・リュウは、中国系アメリカ人の小説家です。
大変人気のある方ですが、私は今まで未読でした。
この機会に、他の作品もゆっくり楽しみましょう。

返却期限までに(^^;

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