見てきました! 映画「真実」その2
映画「真実」の中で、大女優が撮影中のSF映画。
元ネタの本がありました。
母の記憶に
早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
ケン リュウ(著), 牧野 千穂(イラスト), 古沢 嘉通(翻訳)
2017/4/20
買おうと思ったら、近所の図書館にあったので、借りて済ませます。
おぉー懐かしい。
私の若い頃の「ハヤカワ・SF・シリーズ」の復活版。
洋書のペーパーバックのような独特の体裁が、格好良いんですよねぇ。
早川の「ポケミス」ポケットミステリなどと同じ、縦長の新書判サイズ。
黒い表紙に銀の背表紙、小口と天地が茶色。
中学生の頃は、いかにも大人の読み物と感じて、あこがれたものでした。
本当は、横縞入りビニールカバーが付くのですが、図書館で外したのでしょう。
さて。
表題作「母の記憶に」です。
わずか数ページの短編。
不治の病に侵され余命2年の母親は、亜光速宇宙船で旅立つ。
宇宙船で過ごす数か月は、地球時間で10年以上。
成長した娘と一日を過ごして、また数か月を宇宙船で過ごす。
娘は幼年期から思春期、忙しい子育てを経て、老人に。
娘と年を取らない母との、生涯を通した関わり合い。
アイディアとしては、古典的と言って良いでしょう。
物語は娘の一人称で描かれています、短編にまとめる効果的な手法です。
娘自身の変化はもちろんのこと。
父親や夫、少しづつ衰えていく母親の姿も描かれます。
なるほどこれは、なかなかの感動作です。
小説に描かれていない、様々なシーンが思い浮かびます。
不治の病を知り、幼い娘を夫に託して未来の娘を見届けようと決心する母親。
それを受け入れる夫。
年を取らない母に会うたび、様々に心が揺れる娘。
それぞれの心情に思いが至り、短編ながらずっしりとした読後感。
このような作品を見出す是枝監督、さすがです。
いっそのこと、これを原作に長編映画を作ったら、どうでしょう?
是枝監督初のSF大作!
舞台は100年後の日本と宇宙船!
年代別オーディションで、娘役はなんと5人!
母親の乗り込む宇宙船や未来の情景も、しっかり描き込んでもらって。
うーん、これは面白そう(^^)
話を戻します。
作者のケン・リュウは、中国系アメリカ人の小説家です。
大変人気のある方ですが、私は今まで未読でした。
この機会に、他の作品もゆっくり楽しみましょう。
返却期限までに(^^;
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