見てきました! 映画「真実」
是枝裕和監督の最新作「真実」を見てきました。
主役は往年の大女優カトリーヌ・ドヌーブ。
舞台はフランスのパリ。
タイトルは、いかにも重い言葉「真実」。
公式サイトで紹介されているストーリーは、こんな感じ。
ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ。
「いったい彼女は何を綴ったのか?」そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、
綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、
愛憎うず巻く心の影を露わにしていき――。
うわー、これは重い。重すぎでしょう。
これまでの是枝作品で言えば「三度目の殺人」のような映画だろうと思いました。
ところが。
見てみたら、ぜんぜん違いましたねぇ。
私の印象としては「海よりもまだ深く」「歩いても 歩いても」のよう。
特に「ダメ男」が出てくるわけではありませんが。
女優とその家族の日常や、それなりの思惑が淡々と描かれて。
含蓄のあるセリフも、感動シーンというよりは、さらりと流す。という感じ。
それから「ワンダフルライフ」も思い起こされます。
枯葉の舞う静かで美しい庭園。
ファンタジックな「映画中映画」が重要なシーンとして描かれる点も。
なのですが。
描かれるのは、パリの豪邸での大女優の暮らしや映画撮影の現場。
英語ならまだしも、フランス語のセリフに字幕。
どうも、なかなか映画にしっくりと入り込めません。
入り込めない要素が、もう一つ。
先の「映画中映画」です。
大女優が出演しているのは、SF映画です。
若い母親が年老いた娘と出会うシーン。
涙にくれて見つめあう、年齢が逆転した母娘。
おぉ、なるほど。
映画の世界と現実を対比させているのですね。
母と娘や、若くして亡くなったライバル女優との関係を重層的に描くと。
見ごたえのあるシーンなのですが。
ここでまた、私の脳裏に雑念がぐるぐる(-_-)
ちょうど「母と暮らせば」の時のように。
あぁー、タイムスリップものかぁ。
どうしてこうなったかな。
タイムマシン、亜光速宇宙船、不老不死技術、冷凍睡眠、超自然のファンタジー、、、
まぁいいか、とにかく話の流れを追って黙って見ていよう。
私の読解力不足を、棚に上げますが。
ちらりとでも、セリフで語るか、宇宙船の映像でも入れば良いのに。
是枝裕和監督の宇宙船、ちょっと見てみたい(^^;
話を戻して。
映画の終盤で、孫の女の子から「宇宙船」という言葉が出てきました。
そのセリフがまた、いかにも意味ありげな言い回しなのですよ。
ネタバレを書いてしまいます。
幼い孫が、大女優にこんな意味のことを言います
私も、大きくなったら女優になる。
おばあちゃんも宇宙船に乗って(タイムスリップして)見に来てね。
これはもう、大女優のおばあちゃんも嬉しいでしょう。
でもこの言葉は、親に言わされたのですね。
そのあと、少女はお母さんに対して、こんなことを言います。
私の言葉は「真実」なのかな。
ここは深読みして、難しい顔をするところなのでしょうか。
いやいやー。
こんなことは、もうよくある話ですねぇ。
というわけで。
カトリーヌ・ドヌーブ主演パリ撮影という、大層なしつらえですが。
さらりとした小品という感じにまとめるあたり、さすがと言うべきでしょうか。
タイムスリップの雑念は晴れたので。
字幕を避けて映像に集中できるよう、日本語吹き替え版で見直してみたいように思います。
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