国立演芸場で落語「三遊亭遊馬独演会」その2
2019年12月8日(日)の夜の続きです。
さて「三遊亭遊馬独演会」の内容です。
三遊亭遊馬独演会
2019年12月8日(日) 18時00分開場 18時30分開演
国立演芸場
前売2500円 当日3000円
・金明竹
与太郎が骨董屋の店番をする。
前半は様々な来客に対し、与太郎がトンチンカンな受け答え。
後半は取引先の使いがやってきて、骨董品について意味不明なことを延々と語る。
この噺は、私はこれまで前半後半を別々にしか、聞いたことがありませんでした。
確かに、区切ってしまっても良い内容です。
後半では、骨董について意味不明の符牒を交えて延々と語る。
これを立て板に水、滑らかに演じるのが聞かせ所なのでしょう。
落語の入門者が「寿限無」の次に学ぶ演目だそうです。
そう言えば、先日の二人会でも前座さんが演じていました。
・たちきり
初心な商家の若旦那が芸者に入れあげる。
番頭に蔵に押し込められ、その間に芸者は死んでしまう。
ウィキペディアで確認。
一般的な滑稽噺のような抜けた人物が登場せず、クスグリが非常に少ない。
なおかつ悲劇的になりすぎないように演じる必要があり、演者には高い技量が要求される。
なるほど。
言われてみれば、確かにそうなのでしょう。
そう言えば、先日の二人会でも似たようなテーマの「品川心中」を演じていました。
枕の線香についての話が、下げの説明になっているわけですが。
例えば「船徳」の「新造船の舳先をぶつける=御新造の鬢をおっ欠く」などと同じ言葉遊び。
そこが面白さなのでしょう。
・芝浜
酒飲みの魚屋が、海辺で大金の入った財布を拾い大喜び。
奥さんに「夢を見ていたのだ」と言われ、魚屋は改心して真面目に働く。
三年後には、借金取りの来ない大晦日を迎えることが出来た。
有名な人情噺。
最後の落ちに至る、クライマックス。
三年間断酒しお茶で我慢していた主人公が、本音で語る。
羊羹?いらねぇ。
先ほどまで、お茶と羊羹が旨いと言っていたのに、がらり豹変。
そして酒に口を付けるその瞬間、、、
よそう、また夢になるといけねぇ。
この落差をどう演じるかが、肝でしょう。
例えば先代の圓楽さんですと、こうです。
羊羹?いらねぇいらねぇ。猫にでもくれてやれ。
枡の縁に塩を盛ったりする演出があります。
そして最後は、すぱっと切る。
よそう、また夢になる。
これに対して、割合型通りに演じているように聞こえます。
それも、この方の持ち味かと思います。
というわけで。
三本とも、さらっと演じているように見えて、実はかなりの技量の玄人芸、といったところでしょうか。
先の「金明竹」を前座噺二本とすれば、前座ふたり、二つ目、真打と四本聞いたような感じです。
どれも大変良くて、お腹いっぱい、です。
以下、大変失礼ながら。
独演会ですからね、当然ながら全て一人で演じます。
結果として、似たような味わい。
例えば「ホールケーキまるごと」食べたような、満腹感と言いますか膨満感。
それに対し、先日の「二人会」は、全く異なる個性のお二人でした。
加えて前座さんや色物まで入って、コスパ最高満足感いっぱい、という感じでした。
決して、今回の独演会が不満ということではありませんが。
私のようなセコい素人には、そのような「全部入り幕の内弁当」の方が、お得に感じてしまいます。
と言いながら、年内にもう一度遊馬さんを聞きに行こうと思っているのですが。
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