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2019年12月17日 (火)

国立演芸場で落語「三遊亭遊馬独演会」その2

2019年12月8日(日)の夜の続きです。

さて「三遊亭遊馬独演会」の内容です。
Yuma_20191208
三遊亭遊馬独演会
 2019年12月8日(日) 18時00分開場 18時30分開演
 国立演芸場
 前売2500円 当日3000円

・金明竹
 与太郎が骨董屋の店番をする。
 前半は様々な来客に対し、与太郎がトンチンカンな受け答え。
 後半は取引先の使いがやってきて、骨董品について意味不明なことを延々と語る。
この噺は、私はこれまで前半後半を別々にしか、聞いたことがありませんでした。
確かに、区切ってしまっても良い内容です。
後半では、骨董について意味不明の符牒を交えて延々と語る。
これを立て板に水、滑らかに演じるのが聞かせ所なのでしょう。
落語の入門者が「寿限無」の次に学ぶ演目だそうです。
そう言えば、先日の二人会でも前座さんが演じていました。

・たちきり
 初心な商家の若旦那が芸者に入れあげる。
 番頭に蔵に押し込められ、その間に芸者は死んでしまう。
ウィキペディアで確認。
 一般的な滑稽噺のような抜けた人物が登場せず、クスグリが非常に少ない。
 なおかつ悲劇的になりすぎないように演じる必要があり、演者には高い技量が要求される。
なるほど。
言われてみれば、確かにそうなのでしょう。
そう言えば、先日の二人会でも似たようなテーマの「品川心中」を演じていました。

枕の線香についての話が、下げの説明になっているわけですが。
例えば「船徳」の「新造船の舳先をぶつける=御新造の鬢をおっ欠く」などと同じ言葉遊び。
そこが面白さなのでしょう。

・芝浜
 酒飲みの魚屋が、海辺で大金の入った財布を拾い大喜び。
 奥さんに「夢を見ていたのだ」と言われ、魚屋は改心して真面目に働く。
 三年後には、借金取りの来ない大晦日を迎えることが出来た。
有名な人情噺。
最後の落ちに至る、クライマックス。
三年間断酒しお茶で我慢していた主人公が、本音で語る。
 羊羹?いらねぇ。
先ほどまで、お茶と羊羹が旨いと言っていたのに、がらり豹変。
そして酒に口を付けるその瞬間、、、
 よそう、また夢になるといけねぇ。
この落差をどう演じるかが、肝でしょう。

例えば先代の圓楽さんですと、こうです。
 羊羹?いらねぇいらねぇ。猫にでもくれてやれ。
枡の縁に塩を盛ったりする演出があります。
そして最後は、すぱっと切る。
 よそう、また夢になる。
これに対して、割合型通りに演じているように聞こえます。
それも、この方の持ち味かと思います。

というわけで。
三本とも、さらっと演じているように見えて、実はかなりの技量の玄人芸、といったところでしょうか。

先の「金明竹」を前座噺二本とすれば、前座ふたり、二つ目、真打と四本聞いたような感じです。
どれも大変良くて、お腹いっぱい、です。

以下、大変失礼ながら。

独演会ですからね、当然ながら全て一人で演じます。
結果として、似たような味わい。
例えば「ホールケーキまるごと」食べたような、満腹感と言いますか膨満感。

それに対し、先日の「二人会」は、全く異なる個性のお二人でした。
加えて前座さんや色物まで入って、コスパ最高満足感いっぱい、という感じでした。

決して、今回の独演会が不満ということではありませんが。
私のようなセコい素人には、そのような「全部入り幕の内弁当」の方が、お得に感じてしまいます。

と言いながら、年内にもう一度遊馬さんを聞きに行こうと思っているのですが。

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