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2020年6月25日 (木)

お楽しみ!! ライトノベル「キネマ探偵カレイドミステリー」

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」つながりで。
在宅時間が長いので、お気楽な楽しみに、こんな本を読んでいます。

映画を題材にしたミステリー短編小説の、シリーズ三巻です。
Kinema_202006
斜線堂 有紀
キネマ探偵カレイドミステリー 
キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~
キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

「休学中の秀才・嗄井戸高久(かれいどたかひさ)を大学に連れ戻せ」。
留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎(なおさき)は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。
しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく……。
そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と、完璧なアリバイを持つ容疑者……。
ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。

ミステリーのテーマは、様々な映画作品。
私の好物、探偵は自宅から一歩も出ない「安楽椅子探偵」もの。

助手役は、留年の危機にある同級生。
なんだ、男二人がメインキャストかと思ったら。
途中から、かわいくて謎めいた女子高生が登場。

この三人が、映画に絡む事件を解決するわけです。
あぁこれは。
数年前に読んだ、古書のミステリーによく似た構成です。

2018年9月27日(木) お楽しみ「ビブリア古書堂の事件手帖」

Biblia_1_201809
こちらは、名探偵が清楚な女性、助手が武骨な男性。
更に、しっかり者の女子高生の妹。
事件の謎解きとともに、二人のもどかしい恋愛が楽しみでした。

一方こちら「カレイド」は、もっと厳しい三人の立場の変化があります。
ネタバレは避けますが、まさに「カレイドスコープ=万華鏡」という感じ。

で。
第一作のテーマが「ニュー・シネマ・パラダイス」なんです。
古い映画館、その名もずばり「パラダイス座」がありまして。
支配人は、オーナーから廃業を告げられます。
その後オーナーは、自宅で原因不明の火災により死亡。
これはもう、犯人は決まっています。
さぁ、どんなトリックで、あの映画とは、どう絡んでくるのか。

会話や二人の関係も面白い。
何しろ、現代の大学生が主人公ですからね。
助手役がパラダイス座で見た思い出の映画は「ドラえもん」
主人公二人は「ブリキの迷宮」「魔界大冒険」について語り合ったり。

会話が、いかにも今の若者。
「めっちゃ」「はぁ?」「らへん」「うわ、めんどくさい」「・・の体で」「秒で」
おっと懐かしい。
「般教」=パンキョー=一般教養科目。
こんな言葉が、ぽんぽん出てきます。

そして大学生活の描写や、下北沢の街並や実在の喫茶店など。
なんだか若返ったような気分で、楽しく読めます。

映画にまつわる様々な蘊蓄やトリック。
見たことのない映画も要領よく説明されて、読みやすく面白い。

作者について、ウィキペディアから引用。
作者は1993年生まれ。
大学在学中である2016年10月、投稿作『キネマ探偵カレイドミステリー』にて、
第23回電撃小説大賞の「メディアワークス文庫賞」を受賞。
翌年、同作にて作家デビュー。
なるほど、本当に若いんですね。

第一話が、こちらでまるまる読めます。
https://dengekibunko.jp/books/1702kinematantei/index.php


さて。
今どきの若い人の書いたものを、ホメて終われれば良いのですが。
くそじじいの私は、やはり気になる点もあるわけです。
それについては、後ほど。

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