面白い!!!「重版出来 17巻」
秋のお彼岸です。
以前は一日がかりであちこち回ったのですが。
ここ数年は、簡単に済むようになりました・・・
空いた時間で、楽しみにしていた「重版出来」最新刊。
漫画週刊誌「バイブス」の女性編集部員が主人公の「お仕事漫画」です。
舞台の中心は週刊コミック誌の編集部。
新入女子社員の「黒沢心」を主人公に、漫画家を支える編集者の仕事を描く。
出版業界を支える編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員、
一般に裏方と呼ばれる人々の努力をリアルに描いている。
今回は、新人漫画家「中田伯」のデビュー作「ピーヴ遷移」のアニメ化のお話です。
幾つもの難関を乗り越えて、仕事が進む様子が描かれます。
今回も含蓄のあるセリフが幾つも。
このクリエイターたちは、漫画という共通言語でつながって、
物語で感情を送り合っている・・・
いつものように、読み終えて元気が出るような読後感なのですが。
気になったのは、このページ。
中田伯がアニメ制作会社を訪れます。
ピーヴ遷移ファンのスタッフ一同、大感激。
頭を下げて、こうです。
わざわざご足労くださりありがとうございます
本来であればこちらから出向くのが筋だと思いますが。
それに対し、こんなやり取りが。
中田:三蔵山先生が――
アニメ:みくらやま?
担当:「ドラゴン」シリーズの。
アニメ:ああ・・・
三蔵山先生は、中田伯がアシスタントとして修業した、大御所の漫画家です。
「ドラゴン」シリーズは、30年で累計発行部数800万部突破という人気作。
こちらは、ネットで拾った、テレビドラマで使われた画像です。
「尖った画作りをしてくれる」と評価されるアニメ制作会社の皆さん。
三蔵山先生のドラゴンシリーズなんて、知らないのですねぇ。
例え話に置き換えてみます。
中田:鳥山先生が――
アニメ:とりやま?
担当:「ドラゴンボール」シリーズの。
アニメ:ああ・・・
中田:秋本先生が――
アニメ:あきもと?
担当:「こち亀」シリーズの。
アニメ:ああ・・・
といった感じでしょうか。
なぜ、こんな描写が出てくるのでしょうか?
わざわざご足労くださりありがとうございます。
それで、オリジナル回の件ですが・・・
だけでも、充分話は繋がります。
あえて三蔵山先生を持ち出して「ああ・・・」なんて言わせて。
どういう意図なのでしょうか?
大御所には興味も知識もない、新進クリエイターの人物像の描写
ということでしょうか。
その次の話では、三蔵山先生の単行本未収録の旧作をWeb雑誌に掲載する、
というシーンがあります。
そこから、かつての手描き漫画の技法などの昔ばなし。
うーん。
大御所は、もう半ば過去の人ということでしょうか。
それとも、、、
今後三蔵山先生が、あっと驚くような斬新な新作を出す伏線
だったりするのなら、嬉しいのですが。
| 固定リンク
「最近の本棚」カテゴリの記事
- 見てきました!!! 映画「違国日記」その2(2024.07.07)
- 岩波ブックレット 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?(2024.06.24)
- 映画「そして父になる」参考書籍「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年」(2024.06.16)
- SF小説「流浪地球」が全文無料公開(2024.04.02)
- 全11巻つながり「ぼくらの」(2023.12.29)
コメント