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2021年9月25日 (土)

面白い!!!「重版出来 17巻」

秋のお彼岸です。
以前は一日がかりであちこち回ったのですが。
ここ数年は、簡単に済むようになりました・・・

空いた時間で、楽しみにしていた「重版出来」最新刊。
漫画週刊誌「バイブス」の女性編集部員が主人公の「お仕事漫画」です。
 舞台の中心は週刊コミック誌の編集部。
 新入女子社員の「黒沢心」を主人公に、漫画家を支える編集者の仕事を描く。
 出版業界を支える編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員、
 一般に裏方と呼ばれる人々の努力をリアルに描いている。

今回は、新人漫画家「中田伯」のデビュー作「ピーヴ遷移」のアニメ化のお話です。
幾つもの難関を乗り越えて、仕事が進む様子が描かれます。
今回も含蓄のあるセリフが幾つも。
 このクリエイターたちは、漫画という共通言語でつながって、
 物語で感情を送り合っている・・・

いつものように、読み終えて元気が出るような読後感なのですが。
気になったのは、このページ。
Jyuhan15_202109
中田伯がアニメ制作会社を訪れます。
ピーヴ遷移ファンのスタッフ一同、大感激。
頭を下げて、こうです。
 わざわざご足労くださりありがとうございます
 本来であればこちらから出向くのが筋だと思いますが。
それに対し、こんなやり取りが。
 中田:三蔵山先生が――
 アニメ:みくらやま?
 担当:「ドラゴン」シリーズの。
 アニメ:ああ・・・

三蔵山先生は、中田伯がアシスタントとして修業した、大御所の漫画家です。
「ドラゴン」シリーズは、30年で累計発行部数800万部突破という人気作。
こちらは、ネットで拾った、テレビドラマで使われた画像です。
Mikurayama_202109

「尖った画作りをしてくれる」と評価されるアニメ制作会社の皆さん。
三蔵山先生のドラゴンシリーズなんて、知らないのですねぇ。
例え話に置き換えてみます。

 中田:鳥山先生が――
 アニメ:とりやま?
 担当:「ドラゴンボール」シリーズの。
 アニメ:ああ・・・

 中田:秋本先生が――
 アニメ:あきもと?
 担当:「こち亀」シリーズの。
 アニメ:ああ・・・

といった感じでしょうか。

なぜ、こんな描写が出てくるのでしょうか?
 わざわざご足労くださりありがとうございます。
 それで、オリジナル回の件ですが・・・
だけでも、充分話は繋がります。
あえて三蔵山先生を持ち出して「ああ・・・」なんて言わせて。
どういう意図なのでしょうか?
 大御所には興味も知識もない、新進クリエイターの人物像の描写
ということでしょうか。

その次の話では、三蔵山先生の単行本未収録の旧作をWeb雑誌に掲載する、
というシーンがあります。
そこから、かつての手描き漫画の技法などの昔ばなし。

うーん。
大御所は、もう半ば過去の人ということでしょうか。
それとも、、、
 今後三蔵山先生が、あっと驚くような斬新な新作を出す伏線
だったりするのなら、嬉しいのですが。

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