見てきました!!! 映画「赤ひげ」
またまた「午前十時の映画祭11」。
世界のクロサワの「隠し砦の三悪人」に続いて「赤ひげ」です。
豪華時代活劇にたいして、ぐっと地味な人情もの。
先日は「どうしますかねー」なんて書きましたが、やはり見逃してはもったいない。
物語
保本登(加山雄三)は、幕府の御番医になるため、三年の長崎遊学を終えて江戸に戻ったものの、
配置されたのは、貧しく重い病に苦しむ患者たちが集まる小石川養生所だった。
所長の“赤ひげ”(三船敏郎)の下で働くことになった保本は、ことあるごとに赤ひげに反発する。
だが、死を目前にした患者を前に「現在我々に出来ることは貧困と無知に対する戦いだ。
それによって医術の不足を補う他はない」と語る赤ひげに畏敬の念を抱き始める―。
上映時間185分という大作で、途中休憩もあります。
この作品は、かなり前にテレビ画面で二度ほど見ています。
また、原作小説は高校生の頃に読みました。
今回初めて映画館で見ましたが、これほど良作だったとは。
物語は、加山雄三演じる見習医師の視点で描かれます。
様々な患者にまつわる物語の、オムニバス形式です。
貧しい人の陰惨な話が、次々と描かれます。
どのエピソードも、ずっしりと重く、鬼気迫る迫力で描かれます。
赤ひげに反発していた、見習医師。
様々な出来事を経験し、徐々に赤ひげに惹かれて行きます。
言ってしまえば「よくある展開」なのですが、むしろこちらが先行作でしょう。
並行して、見習医師の悩みが描かれます。
許嫁の妹が彼を訪ねて来たりして、徐々に事情が分かります。
長崎遊学の三年の間に、許嫁が他の人と結婚して、子どもまで生まれていたのですね。
許嫁の親の誠実さも、じーんと浸みてきます。
そして、明るく後味の良いエンディング。
うーん。
これは思った以上に、良作ですねぇ。
以前のテレビ画面での流し見では、良さが充分伝わらなかったのでしょう。
いやいや、私の理解力が足らなかったのでしょう。
瀕死の患者が、両手を上げ虚空をつかむとか、
突然山崩れが起きて白骨死体が見つかるとか、
いささか過剰と感じるシーンもありますが、、、小さなことです。
上映時間185分という大作です。
幾つものエピソードがあり、込み入った事情や複雑な心の動きが描かれます。
当然、登場人物もすごく多く、やたらと長いセリフも度々。
それでも、状況の把握に困ることも無く、滑らかに物語が進んで行きます。
当たり前のようですが、こうではない映画も結構ありますよね。
例えば、こんな感じ。
突然もやのかかった映像に切り替わる。
あれ?これは主人公の過去の回想なのか?未来の妄想なのか? とかね。
例えば、野球で、こんな話がありますよね。
するどい打球をスライディングキャッチのファインプレー。
しかし、本当にうまい選手なら、素早く移動し手堅くキャッチして、ファインプレーには見せない。
これと同じことでしょう。
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