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2021年10月12日 (火)

見てきました!!! 映画「赤ひげ」

またまた「午前十時の映画祭11」
世界のクロサワの「隠し砦の三悪人」に続いて「赤ひげ」です。
豪華時代活劇にたいして、ぐっと地味な人情もの。
先日は「どうしますかねー」なんて書きましたが、やはり見逃してはもったいない。
20210918
物語
保本登(加山雄三)は、幕府の御番医になるため、三年の長崎遊学を終えて江戸に戻ったものの、
配置されたのは、貧しく重い病に苦しむ患者たちが集まる小石川養生所だった。
所長の“赤ひげ”(三船敏郎)の下で働くことになった保本は、ことあるごとに赤ひげに反発する。
だが、死を目前にした患者を前に「現在我々に出来ることは貧困と無知に対する戦いだ。
それによって医術の不足を補う他はない」と語る赤ひげに畏敬の念を抱き始める―。

上映時間185分という大作で、途中休憩もあります。

この作品は、かなり前にテレビ画面で二度ほど見ています。
また、原作小説は高校生の頃に読みました。
今回初めて映画館で見ましたが、これほど良作だったとは。

物語は、加山雄三演じる見習医師の視点で描かれます。
様々な患者にまつわる物語の、オムニバス形式です。
貧しい人の陰惨な話が、次々と描かれます。
どのエピソードも、ずっしりと重く、鬼気迫る迫力で描かれます。

赤ひげに反発していた、見習医師。
様々な出来事を経験し、徐々に赤ひげに惹かれて行きます。
言ってしまえば「よくある展開」なのですが、むしろこちらが先行作でしょう。

並行して、見習医師の悩みが描かれます。
許嫁の妹が彼を訪ねて来たりして、徐々に事情が分かります。
長崎遊学の三年の間に、許嫁が他の人と結婚して、子どもまで生まれていたのですね。
許嫁の親の誠実さも、じーんと浸みてきます。
そして、明るく後味の良いエンディング。

うーん。
これは思った以上に、良作ですねぇ。
以前のテレビ画面での流し見では、良さが充分伝わらなかったのでしょう。
いやいや、私の理解力が足らなかったのでしょう。

瀕死の患者が、両手を上げ虚空をつかむとか、
突然山崩れが起きて白骨死体が見つかるとか、
いささか過剰と感じるシーンもありますが、、、小さなことです。

上映時間185分という大作です。
幾つものエピソードがあり、込み入った事情や複雑な心の動きが描かれます。
当然、登場人物もすごく多く、やたらと長いセリフも度々。
それでも、状況の把握に困ることも無く、滑らかに物語が進んで行きます。

当たり前のようですが、こうではない映画も結構ありますよね。
例えば、こんな感じ。
 突然もやのかかった映像に切り替わる。

 あれ?これは主人公の過去の回想なのか?未来の妄想なのか? とかね。

例えば、野球で、こんな話がありますよね。
 するどい打球をスライディングキャッチのファインプレー。
 しかし、本当にうまい選手なら、素早く移動し手堅くキャッチして、ファインプレーには見せない。

これと同じことでしょう。

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