行ってきました 東京都現代美術館「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」
連休谷間の平日、2022年5月6日(金)です。
こんな展示会に行ってきました。
東京都現代美術館「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」
会期:2022年3月19日(土)-6月19日(日)
観覧料:一般1,700円 / 大学生・専門学校生・65歳以上1,200円 / 中高生600円 / 小学生以下無料
日本の特撮映画の歴史を語るとすれば、思い浮かぶ名前は、、、
特技監督の円谷英二、プロデューサーの田中友幸、本編監督の本多猪四郎、音楽の伊福部昭など。
これらの方々を「伝説のスター」とすれば。
失礼ながら「裏方」の、各分野のスペシャリストもいらっしゃいます。
以前、こんな展示会を見てきました。
2015年3月7日(土) 行ってきました 世田谷美術館の企画展「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」
背景師の島倉二千六(しまくら ふちむ)さんと、特撮美術監督の三池敏夫さんの対談がありました。
そして今回は、特撮美術監督の井上泰幸さん。
円谷監督の下で、戦争映画や怪獣映画などの美術スタッフとして活躍した方。
会場には、映画「空の大怪獣ラドン」のセットが、忠実に再現展示されているそうです。
何という良いタイミング。
今年の「午前十時の映画祭12」で上映予定です。
予習のつもりで、見てきましょう。
例によって、会場は撮影禁止。
入口のロゴと、向こうは「ヘドラ」ですね。
展示物は、盛り沢山。
家族写真とか、少年時代のあれこれとか。
その後、様々な作品のイメージボードやミニチュアの図面。
ゴジラ、地球防衛軍、日本誕生、美女と液体人間、宇宙大戦争、ガス人間第1号
ハワイ・ミッドウェイ大海空戦、モスラ、世界大戦争・・・
あぁもう、きりがない。
「井上式セット設計」という言葉が出てきました。
カメラの画角を考慮したセットのイメージに、予算立案のための製作費用まで書き込んであります。
ちょっとメモを取りました。
有名な「大海原を、寒天を使って表現」したシーン。
映画「ゼロ・ファイター 大空戦」の資料に、費用の書き込みがありました。
広さ200坪に、ひと坪当たり寒天40本。寒天8000本で92000円。
とありました。
どこかで「夏は寒天が腐って大変だった」という話を聞いたことがあります。
時代が下って、最後の方には「電人ザボーガー」までありました。
さて。
通路を通って、別の広い部屋へ。
どーん。
68年前の巨大なセットの再現。
福岡市天神の岩田屋デパートに飛来したラドン。
どうですこの細かいこと。
電線などは、撮影時にちゃんと映るよう、あえて太めなのでしょう。
カメラ越しの映像はこうです。
上空のラドンは、平面パネルです。
背景を描いた、島倉二千六さんのサイン。
「紀元は2600年」の昭和15年生まれ。今年2022年で82歳なのですね。
このセット再現の監修は、三池敏夫さん。
先に書いたように、以前の展示会でお二人の対談を見てきましたが、今でもお元気でご活躍とはすごい。
なお、実際の映画「空の大怪獣ラドン」では、背景の担当は鈴木福太郎という方だったそうです。
肝心なことが、後になりました。
井上泰幸さん。
1922年11月26日生まれ、2012年2月19日、89歳でお亡くなりになっています。
会場入り口にあった、年表の最後の部分です。
懐かしいスーパー戦隊、東武ワールドスクエア、ガメラ大怪獣空中決戦などなど。
私の感覚では、ついこの間ですよ。
そして最後のお仕事は。
2000年・平成12年・78歳
未来戦隊タイムレンジャー
アナザヘヴン
ゴジラ×メガギラス G消滅作戦
78歳までご活躍!
先の島倉二千六さんもそうですが、まさに生涯現役。
凄いですねぇ。
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