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2022年5月14日 (土)

行ってきました 東京都現代美術館「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」

連休谷間の平日、2022年5月6日(金)です。
こんな展示会に行ってきました。

東京都現代美術館「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」
会期:2022年3月19日(土)-6月19日(日)
観覧料:一般1,700円 / 大学生・専門学校生・65歳以上1,200円 / 中高生600円 / 小学生以下無料
Inoue_poster_202205
日本の特撮映画の歴史を語るとすれば、思い浮かぶ名前は、、、
特技監督の円谷英二、プロデューサーの田中友幸、本編監督の本多猪四郎、音楽の伊福部昭など。
これらの方々を「伝説のスター」とすれば。
失礼ながら「裏方」の、各分野のスペシャリストもいらっしゃいます。

以前、こんな展示会を見てきました。
2015年3月7日(土) 行ってきました 世田谷美術館の企画展「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」
背景師の島倉二千六(しまくら ふちむ)さんと、特撮美術監督の三池敏夫さんの対談がありました。

そして今回は、特撮美術監督の井上泰幸さん。
円谷監督の下で、戦争映画や怪獣映画などの美術スタッフとして活躍した方。
会場には、映画「空の大怪獣ラドン」のセットが、忠実に再現展示されているそうです。
何という良いタイミング。
今年の「午前十時の映画祭12」で上映予定です。
予習のつもりで、見てきましょう。
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例によって、会場は撮影禁止。
入口のロゴと、向こうは「ヘドラ」ですね。
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展示物は、盛り沢山。
家族写真とか、少年時代のあれこれとか。
その後、様々な作品のイメージボードやミニチュアの図面。
ゴジラ、地球防衛軍、日本誕生、美女と液体人間、宇宙大戦争、ガス人間第1号
ハワイ・ミッドウェイ大海空戦、モスラ、世界大戦争・・・
あぁもう、きりがない。

「井上式セット設計」という言葉が出てきました。
カメラの画角を考慮したセットのイメージに、予算立案のための製作費用まで書き込んであります。
ちょっとメモを取りました。
有名な「大海原を、寒天を使って表現」したシーン。
映画「ゼロ・ファイター 大空戦」の資料に、費用の書き込みがありました。
広さ200坪に、ひと坪当たり寒天40本。寒天8000本で92000円。
とありました。
どこかで「夏は寒天が腐って大変だった」という話を聞いたことがあります。

時代が下って、最後の方には「電人ザボーガー」までありました。
さて。
通路を通って、別の広い部屋へ。

どーん。
68年前の巨大なセットの再現。
福岡市天神の岩田屋デパートに飛来したラドン。
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どうですこの細かいこと。
電線などは、撮影時にちゃんと映るよう、あえて太めなのでしょう。
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カメラ越しの映像はこうです。
上空のラドンは、平面パネルです。
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背景を描いた、島倉二千六さんのサイン。
「紀元は2600年」の昭和15年生まれ。今年2022年で82歳なのですね。
このセット再現の監修は、三池敏夫さん。
先に書いたように、以前の展示会でお二人の対談を見てきましたが、今でもお元気でご活躍とはすごい。
20220506_15
なお、実際の映画「空の大怪獣ラドン」では、背景の担当は鈴木福太郎という方だったそうです。

肝心なことが、後になりました。
井上泰幸さん。
1922年11月26日生まれ、2012年2月19日、89歳でお亡くなりになっています。
会場入り口にあった、年表の最後の部分です。
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懐かしいスーパー戦隊東武ワールドスクエアガメラ大怪獣空中決戦などなど。
私の感覚では、ついこの間ですよ。

そして最後のお仕事は。
2000年・平成12年・78歳
未来戦隊タイムレンジャー
アナザヘヴン
ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

78歳までご活躍!
先の島倉二千六さんもそうですが、まさに生涯現役。
凄いですねぇ。

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