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2022年5月 7日 (土)

見てきました 群馬県前橋市「臨江閣」

2022年5月3日(火)です。
先月から続けて群馬県に来ています。
あちこち回っていますが、主目的は名建築巡り。
その三回目です。
2022年4月10日(日) タントで群馬県太田市「旧中島家住宅」
2022年4月17日(日) 見てきました 群馬県富岡市「富岡市社会教育館」

今回は前橋市の「臨江閣」です。
以前来たときは工事中で、中が見られませんでした。
2016年7月18日(日) 群馬県庁周辺をチェック「るなぱあく」「臨江閣」「群馬大学医学部」

まずは、臨江閣の概要をパンフレットや掲示物より抜粋。
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・本館
1884年明治17年)9月竣工。
当時の群馬県令・楫取素彦の提言により、地元有志や銀行等の企業の寄付で建設された迎賓館。
木材主要部は、中山道の安中杉並木の、樹齢200年を経た老杉の払い下げを受けたもの。

明治26年 近衛師団第一旅団第二旅団の小機動演習の際、明治天皇が滞在。
明治35年 大正天皇(当時は皇太子)が滞在。
明治41年 機動演習の際に、大正天皇(当時は皇太子)が滞在。
昭和9年 陸軍特別大演習の際に、昭和天皇が来訪。
戦後は、仮市庁舎や公民館として活用。
・茶室
1884年明治17年)11月竣工。
県令の楫取素彦や県庁職員の募金により建てられたと言われている。
京都の宮大工・今井源兵衛による建築。
・別館
1910年(明治43年)竣工。
前橋市で開催された「一府十四県連合共進会」の貴賓館として建てられた。
1階には60畳大の洋室、2階には180畳大の大広間がある。
共進会の後は、前橋市の公会堂として活用。

オリンピックのメインスタジアムか、万博のパビリオンのような存在なのですね。

ここでも出ました。
昭和9年の「陸軍特別大演習」
先日の「富岡市社会教育館」建設のきっかけとなった行事。
新登場「一府十四県連合共進会」と共に、後日項を改めましょう。

さて。見学です。
入場無料。
正門はこちら。
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どーんと巨大な「別館」
見学の入場はこちらから。
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まずは間取り図です。
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玄関を入って右に、60畳大の洋室。
すごく太い杉の柱や、立派な格天井。
端にはイスとテーブル。案内画像のテレビ。
地元らしいおじさん二人が、大声で何かの相談。
まぁねぇ、入場無料の公的施設ですからねぇ。
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長い廊下に、幅の広いガラス戸は四枚組。
柱の間隔は、なんと三間幅のようです。
先日の「旧中島家住宅」も同じくらい広い間口でした。
あちらは平屋ですが、こちらは二階建てですからねぇ。
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修復工事で追加された補強部材。
一見してそれと分かる、キレイな白木です。
エアコンのパッケージも、廊下にどんと設置。
これらは「後付け」として、オリジナル部の改変を最小限に留めたようです。
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玄関わきの二階への階段。
通常屋外に用いられる「擬宝珠」があります。
中二階の部屋をつぶして、ゆるい傾斜の広い階段に改装したそうです。
二階の大広間の収容人員を考えると、これくらいのは必要でしょう。
ボロっちい下足棚。
見た目だけの修復はしなかった、ということでしょう。
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一階の和室も大変立派でしたが、キリがないので二階です。
掲示があります。
臨江閣別館2階大広間
定員360名
前橋市消防局
ネットで検索。
このような表示を「定員表」と言い、消防局が交付するようです。
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どーん。
180畳大の巨大空間。
元から残っていたシャンデリアを複製して設置。
その上で、照明を追加してあるのですね。
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部屋の一部にガラス張りの開口部。
長いスパンの湾曲を押さえる「張弦梁」が見られます。
一階の60畳の柱間は六間(10.9m)、これを直径25mmの鉄筋で支えているそうです。
改修の際、強度に問題がないのを確認し、当時の構造そのままだそうです。
ネットで検索。
こちらのサイトによると、改修前の二階床面のたわみは、わずか約40㎜ほど。
https://www.sein21.jp/TechnicalContents/Yamabe/Yamabe0106.aspx
NTTファシリティーズ
中大規模木造の耐震補強事例 臨江閣別館の耐震改修
「まとめ」を抜粋。
構造力学と木構造の力の流れを理解した設計者の存在をうかがわせる。
大工の高い技術と丁寧な仕事の成せる技に感心させられた。
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先に進みます。
大きな額は、前橋市の「鳥観図」。
また出ました。昭和9年の陸軍特別大演習の際に描かれたものだそうです。
逆光で見にくいのが残念。
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窓からの景色です。
前橋ドームが邪魔をしていますが、庭園の向こうに上毛三山が見えます。
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雨戸の戸袋もこの厚さです。
しっかりと時代の付いた手すり。
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いやーこれはすごい。
質実剛健、あわせて贅を尽くした名材と細工。
修復後も、太い杉柱には画鋲や釘の穴が沢山。
公会堂などとして使われた時代の痕跡なのでしょう。
手すりや天井や廊下なども、時代が付いたまま。
一方、エアコンや目に付く補強材は、無理に埋め込んだりせず、取り外し可能な後付け。
先にも書きましたが、極力オリジナルの状態を保っているのですね。

これだけの施設を入場無料で公開。前橋市の太っ腹にも感心します。
おっさんが打ち合わせに使っていたり、大広間で観光客が座り込んで休憩していたり。
それはそれで、結構なことです。
大声のマナーは別にして、、、

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