二宮金次郎像と「報徳訓」
地域の行事で、近くの小学校に行きました。
校門の脇に、二宮金次郎の石像があります。
以前は、別の場所にあった小学校に建っていましたが、学校統合の際に移設されたものです。
台には「報徳訓」が彫ってあったようですが、ほとんど読めません。
裏側も見てみます。
地元の「職工組合」の寄贈とあります。
かろうじて「昭和拾五年」と読み取れます。
石像だったおかげで、戦中の「金属類回収令」から免れたのですね。
脇には「報徳訓」の掲示。
立派なステンレス製です。
原文と読み下し文に「大意」が添えられています。
あれ?
設置者や設置日などが書かれていません。
裏側をチェック。
白いテープに黒文字で「H29.3.17 地元自治体と教育委員会設置」とだけ貼ってあります。
「設立の趣旨」のような文章は、一切ありません。
うーん。
今の小学生でも、高学年になれば「二宮金次郎」の名前くらいは知っているようです。
それでも、何の解説もなく「父母根元在天地令命・・・」ではねぇ。
まずは、二宮金次郎が何をした人かの説明が先でしょう。
それから、この石像や掲示文の説明くらいは、あっても良いと思いますねぇ。
特に珍しい内容ではありませんが、一応全文転記しておきます。
報徳訓
父母根元在天地令命
身體根元在父母生育
子孫相續在夫婦丹精
父母富貴在祖先勤功
吾身富貴在父母積善
子孫富貴在自己勤労
身命長養在衣食住三
衣食住三在田畑山林
田畑山林在人民勤耕
今年衣食在昨年産業
来年衣食在今年艱難
年々歳々不可忘報徳
父母の根元は天地の令命に在り
身体の根元は父母の生育に在り
子孫の相続は夫婦の丹精に在り
父母の富貴は祖先の勤功に在り
吾身の富貴は父母の積善に在り
子孫の富貴は自己の勤労に在り
身命の長養は衣食住の三つに在り
衣食住の三つは田畑山林に在り
田畑山林は人民の勤耕に在り
今年の衣食は昨年の産業に在り
来年の衣食は今年の艱難に在り
年々歳々報徳を忘るべからず
報徳訓の大意
私たちが豊かに暮らせるのは先祖の努力のおかげであり、子供や孫が豊かに暮らしていくには、私たちが一生懸命働かなくてはなりません。
長生きをするには衣・食・住の三つが大切で、衣・食・住をよくするためには自然の恵みを生み出してくれる田畑や山林をよく手入れすることです。
今年の暮らしは昨年働いたおかげで、来年の暮らしは今年の働きにかかっています。
このことはいつの時代も変わることがないので、すべてのものに感謝し、すべての徳に報いる、すなわち「報徳」の心を忘れないことが大切です。
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