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2023年2月 7日 (火)

見てきました!!! 黒澤映画「用心棒」

2023年2月4日(土)です。

黒澤明監督の4作を35mmフィルムで上映!
よみがえる昭和 日本映画名作劇場
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二日目の午前は、娯楽時代劇「用心棒」です。
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概要は、ウィキべディアから転載。
桑畑三十郎を名乗る浪人が、宿場町で対立するヤクザ同士を衝突させて壊滅させるという物語で、
理屈抜きの娯楽映画として興行的に大ヒットし、1962年に続編の『椿三十郎』が作られた。
三船は本作品で第22回ヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞。

前後の作品は、こんな感じです。
生きる(1952年)
七人の侍(1954年)
生きものの記録(1955年)
蜘蛛巣城(1957年)
どん底(1957年)
隠し砦の三悪人(1958年)
悪い奴ほどよく眠る(1960年)
用心棒(1961年)
椿三十郎(1962年)

とにかく面白くてたまらない「七人の侍」「隠し砦の三悪人」の数年後の作品。
本作「用心棒」の舞台は、ヤクザが対立して荒れている、小さな宿場町です。
主人公の浪人桑畑三十郎は、もちろん三船敏郎
そして主人公の面倒を見る居酒屋の爺さんが東野英治郎
黒澤映画ではチンピラ役などが多いですが、後に超長寿テレビドラマ「水戸黄門」の初代黄門さまですからね。
そういえば、二代目の西村晃も、ちらっと登場していました。
「七人」や「隠し砦」で実直な武士だった加東大介は、ちょっと頭が弱いヤクザの弟。
なんと「こち亀の両さん」のような「つながり眉毛」という間抜け拵え。
昨日の二作で主役級だったお二人は、本作では見せ場はワンシーンだけのちょい役です。
「わが青春に悔なし」で主役の夫だった藤田進は、出入りの前に逃げ出すインチキ用心棒。
「酔いどれ天使」で主役だった志村喬は、仕込み樽を壊され慌てる造り酒屋の主人。

もちろん映画自体は、何度見ても期待通りの面白さで大満足、、、
なのですが。
この映画の翌年に公開された「椿三十郎」を思い起こすと、幾つかの弱い点に気付きます。
・桑畑三十郎がヤクザを根絶やしにする理由が分からない
「椿三十郎」では、若侍たちの間抜けさや奥方の人柄に打たれる、といった明確な理由が描かれます。
・仲代達矢との対決シーンが物足りない
ヤクザの弟で拳銃使いの仲代達矢に対し、出刃包丁を投げつけてあっさり決着。
「椿三十郎」のラストの息詰まる決闘シーンに比べると、ちょっと弱いです。
・華やかさが足りない
むりやりヤクザの情婦にさせられた司葉子が少しだけ出る程度で、後は田舎遊女がぞろぞろ。
「椿三十郎」では、おっとりした家老の奥方やその娘が良い味を出していました。
更に、満開の椿の花が重要な合図に使われるという演出も素晴らしい。
というわけで。
翌年の「椿三十郎」が、この映画の反省を活かした良作なのだと、改めて思わされます。

同じ監督の映画を連続して見ると、いろいろ気付けるのが面白いところ。
若い頃に通った名画座の特集企画も、このような側面がありましたっけ。
その頃を思い出し、ちょっと懐かしいような気分です。

さて午後は「天国と地獄」なのですが。
残念ながら、用事があり見られません。
これも面白いんですよねー。
「椿三十郎」と「天国と地獄」、後でウチにあるDVDで見直しましょう。

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