« 見てきました!!! 午前十時の映画祭12「無法松の一生(三船敏郎版)」 | トップページ | 埼玉県寄居町と東秩父村の花めぐり »

2023年4月 2日 (日)

見てきました!!! 午前十時の映画祭12「無法松の一生(三船敏郎版)」その2

午前十時の映画祭12の最後を飾る「無法松の一生(三船敏郎版)」
1943年の阪東妻三郎版で検閲削除されたシーンが復活した、1958年のリメイク版です。

本来のシーンのおかげで、松五郎が未亡人に思いを寄せる様子が、良く伝わってきます。
「乱暴者が、手の届かないような女性に思いを寄せる」
あぁ。
この感じは「男はつらいよ」そのものですねぇ。
1943年版でもぼんやりと思ったのですが、1958年を見ると一層強く感じました。
例えば、こうです。
・「困っている女性を親身に助ける」これはもう、いつものパターン
・「花火の見える縁側で語り合う」これは、京マチ子の「純情詩集」や吉永小百合の「恋やつれ」
・「わしの心は汚ない」と自己嫌悪に陥る、これは大原麗子の「真実一路」
更には、松五郎は人力車夫。寅次郎の名字は「車」ですし。
もちろん、こちらの方が古い作品です。
「男はつらいよ」のルーツがこの映画なのでしょう。と言うべきですね。

明治の風俗描写と言う意味でも、色々と面白いです。
提灯行列の様子や、旧制中学と師範学校の喧嘩。
お祭りの屋台では、一匹ずつの型で焼くたい焼き、足踏み式で回転させる綿あめなど。

そのほか、見どころいっぱい。
松五郎がお客そっちのけで、幼い息子の面倒を見る。待たされた客の滑稽な仕草。
くるくる回る人力車の車輪など、映像の美しさ。
三船敏郎の無法者振りは、1954年の「七人の侍」の菊千代のよう。
阪東妻三郎との演技の違いと言った話は、やめておきます。

アラさがしをひとつ。
大尉の名字「吉岡」について。
表札などは「士に口」ではなく、下の長い「土に口」でした。
ところが、角塔婆だけ「士に口」で書かれていたようでした。

我ながら性格の悪いことです。
これくらいにしておきましょう。

|

« 見てきました!!! 午前十時の映画祭12「無法松の一生(三船敏郎版)」 | トップページ | 埼玉県寄居町と東秩父村の花めぐり »

映画など」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 見てきました!!! 午前十時の映画祭12「無法松の一生(三船敏郎版)」 | トップページ | 埼玉県寄居町と東秩父村の花めぐり »