見てきました!!! 映画「せかいのおきく」
埼玉県のシネコン「シネプレックス幸手」です。
最終上映日の2023年5月25日(木)に見てきました。
映画「せかいのおきく」
2023年4月28日公開
幕府が外国から開国を迫られていた激動の江戸末期を舞台に、
つらい現実を懸命に生きながら、ふん尿を肥料として農村に売り、
循環型社会を支えた下肥買いの若者らの青春を描いた物語。
・監督・脚本:阪本順治
・出演:黒木華、寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市
画面は、モノクロのスタンダードサイズ。
舞台は、江戸の下町。安政五年から文久元年までの約4年間です。
安政の大獄や桜田門外の変など、大変な激動の時代ですが、物語には大きな影響はありません。
池松壮亮と寛一郎が「汚穢屋」として登場します。
江戸の「下肥」を買い集めて、船で農家に売りに行きます。
その様子が、大変リアルに描かれます。
見た目はもちろん、汲み取る音とかハエの羽音とかね(^^;
更には、豪雨が続き、長屋では逆流して路地にあふれ出して大騒ぎ、とか。
モノクロでも、すごいリアリティ。
なるほどこれは、カラーで描かれたら、たまらないでしょう。
江戸時代の「循環型社会」とともに、職業として「それなりの扱い」を受ける描写も、多くあります。
大きな事件や緊迫したドラマなどは、ありません。
浪人の佐藤浩市は武士に呼び出され、娘の黒木華は懐剣を持って後を追う。
シーンが変わると、もう佐藤浩市は倒れ、黒木華も喉を切られています。
刀を合わせるどころか、そもそもどのような経緯だったのかさえ、語られません。
このような展開の中で、寛一郎と黒木華の恋模様が、緩やかに描かれます。
身分違いを気にする寛一郎。
黒木華は、寺子屋で子どもに読み書きを教えています。
家で「ちゅうぎ」と書こうとして「ちゅうじ」と書いてしまい、照れるのが可愛かったり。
親子共演。佐藤浩市は、寛一郎に話します。
「世界」という概念を説明したうえで、、、
惚れた女には「世界で一番お前が好きだ」って言ってやれ。
他にも「ここ笑うところ」なんていう言い回しが出てきたり。
上映時間は89分。やたらに長くダラダラした作品より好感が持てます。
本格時代劇というよりは、一風変わった青春もの。
ネタは、かなりの変化球ながら。
山本周五郎や藤沢周平の物語のような味わいのある、清々しい良い話でした。
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