見てきました!!! 午前十時の映画祭13「マルサの女」
コロナウィルス発症前に見た映画です。
まだ完全ではないですが、まぁまぁ体調が戻りましたので、ご報告。
上映期間は、2023年5月12日(金)~25日(木)の2週間。
その後の2週間は、同じ伊丹十三の「お葬式」です。
というわけで。伊丹十三の脚本・監督作品の三作目。
「伊丹十三に外れなし」
あー、面白かった。
良いところを書き出せば、全部という感じですが。
とにかく、主人公から端役まで、登場人物すべての人物造形が素晴らしい。
主人公が税務署時代に調査に入る町の商店主は、いかにも小市民。
ヤクザはいかにも怖いし、銀行員は慇懃無礼。
私が特に気になるシーンをふたつ。
サラ金に借金のある貧乏一家。
地上げのターゲットになっている老朽賃貸マンションの、最後の住人です。
ここを第三者に横取りされないための、悪だくみに巻き込まれます。
とは言っても、借金を肩代わりしてもらい、代わりにこの部屋の賃借権を譲り渡すだけ。
タナボタの幸運に、ペコペコ頭を下げる貧乏一家。
でもねぇ。
この家族、どうせロクな奴らではありません。
これで一旦は借金は消えても、まともな生活立て直しは出来ないでしょうねぇ。
ちなみに、この部屋はヤクザの事務所に活用されます(^^;
気になる登場人物を、もう一人。
こちらは役名があります。
「花のような少女」。
雨の中、相合傘でラブホに誘われる清楚な女性。
男から強引に誘われ、ためらいながらも断れない。
失礼してネットから画像拝借です。
あー、これは職場の上司かなぁ。遊ばれちゃうのかなぁ。
演じるのは山下容莉枝という方。
ネットで調べると、結構活躍していらっしゃるのですね。
どちらの人物も「端役」です。後のストーリーには全く絡みません。
それでも何となく気になってしまう。
こういうディティールが、映画に深みを与えるのでしょう。
もちろん主人公も魅力的。
税務署時代の仕事振りから国税局査察部「マルサ」に抜擢されるまで。
そして、査察部での仕事振りもリアリティたっぷりのエピソードで描かれます。
そして見せ場です。
関係各所への一斉ガサ入れ。
のらりくらりとかわす銀行の次長。支店長に向かい津川雅彦ががつんとかます。
ヤクザは議員とのつながりで脅してくる。
査察部に電話をかけてきた議員を軽くいなす小林桂樹。
これ以上関わると議員本人にも累が及ぶことを匂わせて、、、
「先生からのお電話は、失念させて頂きますので」。
いやー。痛快です。
主人公の査察官の宮本信子と、ラブホテル経営者の山﨑努。
不思議なシンパシーを感じる二人。
ラストの競輪場や、ハンカチに血でパスワードを書くのは、やりすぎのような気もしますが。
あえて過剰気味な演出をしているのでしょう。
これはこれで、よしということで。
ハヤオ
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