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2023年7月13日 (木)

熊谷市妻沼の古書店「むすぶん堂」その2

埼玉県北部には、面白そうな古書店が幾つかあり、以前から気になっていました。
そのひとつ、熊谷市妻沼の「むすぶん堂」に、ちょっと行ってみました。

欲しい本もいろいろありましたが、今日は挨拶代わりに一冊だけ。
内田百閒「贋作吾輩は猫である」
昭和55年10月25日 初版発行
株式会社 六興出版
装丁は川上澄生
20230707_05

さーて。
遅いお昼です。
店長さんのお話では、妻沼には、NHKのEテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」で紹介されたカフェもあるそうです。
いやいやー。古民家再生は良いとは思いますが、、、
それなら「ザ・喫茶店」という感じのお店もありますよ、とのこと。
そちらに行ってみました。
「喫茶タンネの森」
山小屋風の外観に、店内にはスキー板が飾ってありました。
「タンネ」はドイツ語で「樅の木」。
ネット検索すると、同名のスキー場もあるようです。
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日替わりランチの オムライスセット 900円
なるほど、いかにも喫茶店のランチ。
これは良いですねぇ。
20230707_07

食後にコーヒーを飲みながら「贋作吾輩は猫である」をぺらぺら。
ビニールのカバーがかかった、川上澄生の装丁が良い感じです。
ペン書きのキレイな字で、1980.11.19.(水) 桜文堂 とあります。
こんなスタンプも押してあります。
国鉄バス50周年記念
昭和55年12月20日
東京駅
20230707_08

出版元「六興出版」について。
品の良い文芸書を出していた出版社という、かすかな記憶。
ウィキペディアで確認。
1992年まで存在した日本の中堅出版社とのこと。
戦後の「六興出版部」創業時のメンバーがすごい。
菊池寛の秘書だった佐藤碧子の夫の石井英之助
吉川英治の弟・吉川晋
直木三十五の愛人の弟・香西昇
が文藝春秋から入社する。

次に、ネットで「桜文堂」を検索。
川崎市にある書店がヒットしました。
前の持ち主は、ここで買ったのかも知れません。

というわけで。
もう中身を読む前から、色々と楽しめます。
以前も書きましたが。
文章を読むだけなら、Kindleや青空文庫の方がずっと便利です。
この本だって、Kindle版はありませんが文庫本なら今でも新品が買えます。

ですが、質感装丁書体など「紙の本」自体の楽しさは格別です。
更には、先のような古書ならではの面白さ。
今回も「この本」自体を、ゆっくり楽しみましょう。

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