熊谷市妻沼の古書店「むすぶん堂」その2
埼玉県北部には、面白そうな古書店が幾つかあり、以前から気になっていました。
そのひとつ、熊谷市妻沼の「むすぶん堂」に、ちょっと行ってみました。
欲しい本もいろいろありましたが、今日は挨拶代わりに一冊だけ。
内田百閒「贋作吾輩は猫である」
昭和55年10月25日 初版発行
株式会社 六興出版
装丁は川上澄生
さーて。
遅いお昼です。
店長さんのお話では、妻沼には、NHKのEテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」で紹介されたカフェもあるそうです。
いやいやー。古民家再生は良いとは思いますが、、、
それなら「ザ・喫茶店」という感じのお店もありますよ、とのこと。
そちらに行ってみました。
「喫茶タンネの森」
山小屋風の外観に、店内にはスキー板が飾ってありました。
「タンネ」はドイツ語で「樅の木」。
ネット検索すると、同名のスキー場もあるようです。
日替わりランチの オムライスセット 900円。
なるほど、いかにも喫茶店のランチ。
これは良いですねぇ。
食後にコーヒーを飲みながら「贋作吾輩は猫である」をぺらぺら。
ビニールのカバーがかかった、川上澄生の装丁が良い感じです。
ペン書きのキレイな字で、1980.11.19.(水) 桜文堂 とあります。
こんなスタンプも押してあります。
国鉄バス50周年記念
昭和55年12月20日
東京駅
出版元「六興出版」について。
品の良い文芸書を出していた出版社という、かすかな記憶。
ウィキペディアで確認。
1992年まで存在した日本の中堅出版社とのこと。
戦後の「六興出版部」創業時のメンバーがすごい。
菊池寛の秘書だった佐藤碧子の夫の石井英之助
吉川英治の弟・吉川晋
直木三十五の愛人の弟・香西昇
が文藝春秋から入社する。
次に、ネットで「桜文堂」を検索。
川崎市にある書店がヒットしました。
前の持ち主は、ここで買ったのかも知れません。
というわけで。
もう中身を読む前から、色々と楽しめます。
以前も書きましたが。
文章を読むだけなら、Kindleや青空文庫の方がずっと便利です。
この本だって、Kindle版はありませんが文庫本なら今でも新品が買えます。
ですが、質感装丁書体など「紙の本」自体の楽しさは格別です。
更には、先のような古書ならではの面白さ。
今回も「この本」自体を、ゆっくり楽しみましょう。
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