panpanya最新刊「商店街のあゆみ」
私は60代半ばのジジイです。
小さい文字を読むのがきつくなり、読書はもっぱら電子版です。
最近は、それも面倒になりまして。
19インチ液晶画面縦置きで、漫画を読むことの方が多くなってしまいました。
というわけで。
最近気に入っている漫画です。
今年の11月に発売された、panpanya「商店街のあゆみ」。
この作者の新刊は、年に一度のお楽しみ。
まずは、不思議なペンネームの作者について。
ウィキペディアから抜粋。
panpanya(パンパンヤ、本名・生年月日・性別非公表)は、日本の漫画家。
2000年代後期より活動を開始し、2013年に単行本『足摺り水族館』にて商業誌デビュー。
以降、年に約1冊のペースにて短編作品集の単行本が白泉社より発表されている。
緻密に描き込まれた画と、現実と空想が混在する世界観が作品の特徴とされる。
雑誌「ユリイカ」でも特集されます。
ユリイカ2024年1月号 特集=panpanya
-夢遊するマンガの10年-
商業誌デビュー10年・単行本10冊目刊行記念
「端切れ」を拾い、観察し、想像するというプロセスからpanpanyaのマンガは生成される。
「寝入りばなにみる夢のよう」とも形容され、時に「ガロ系」をはじめとする日本のオルタナティヴ・コミックの水脈上に位置づけられるその仕事は、まるで終わらない自由研究のように拡大と深化を続けている。
最新刊『商店街のあゆみ』の刊行に際し、拾い集められてきた「端切れ」たちを改めて見つめ直し、それらによって形成された架空の町の中でこれからも道に迷い続けるための地図を想像したい。
私としては。
「寝入りばなにみる夢」というよりは。
「目覚める直前に見る夢」のような感じがします。
どなたも経験があるでしょう。
現実のように感じながら、場所や人がふわふわ移り変わったりして。
「あれ、これはどうもおかしいぞ?」
なんて思いはじめると、だんだん目が覚めてきて。
「あっ。さっきのは夢だったんだ。」
というような、不思議な目覚め。
自分の見た夢を描いた作品で有名なのは、この辺でしょうか。
小説では、夏目漱石「夢十夜」。
漫画なら、つげ義春「ねじ式」。
panpanyaさんの濃密な描き込みは、このつげ義春に近い感じがします。
ですがそれは、背景だけ。
登場人物は、淡い鉛筆のようなタッチ。
設定が不思議な話ほど、人物が淡く描かれているようです。
不条理で濃密な背景こそが現実で、登場人物の方が非現実であるかのような、不思議な絵柄。
そんな世界で起きる出来事の「落ち」も面白い。
この一冊で、数日間ふわふわした非現実感が楽しめます。
白泉社の紹介ページ。
https://www.hakusensha.co.jp/comicslist/68848/
pxivのpanpanyaさん。
https://www.pixiv.net/users/225434
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