見てきました!!! 午前十時の映画祭13「バベットの晩餐会」
午前十時の映画祭13「バベットの晩餐会」です。
公式サイトより。
原題 BABETTES GÆSTEBUD
製作国 デンマーク
製作年 1987年
受賞歴 アカデミー賞 外国語映画賞
こじつけですが。
先日の「PERFECT DAYS」とは「清貧」つながり。
舞台は19世紀末のデンマーク。
敬虔なプロテスタント教徒の暮らす、わずか数戸の小さな集落。
厳格な牧師の父と主に暮らし、父の死後もその教えを守り未婚のまま年老いた姉妹。
前半では、美しい二人の娘のロマンスも描かれますが、結ばれないまま時は過ぎます。
ある日、二人はフランスから亡命してきた女性バベットを、家政婦として雇います。
やりくり上手な彼女のおかげで、二人で暮らしていた時より家計は楽に。
二人に世話になっている老人も、以前より美味しい料理が食べられたり。
バベットは、実は凄腕の料理人。
宝くじで得た1万フランを全て使い、最高の晩餐を演出します。
もちろん、姉妹や集落の人々のためなのでしょうが。
それ以上に、長年封印してきた自分の芸術家としての衝動だったのかも知れません。
バベットが手配した、ウミガメや生きたウズラなどの食材を見て、恐れをなす姉妹や集落の人々。
魔女の料理のような悪夢を見て、姉妹がうなされるのも面白い。
彼女が留守の間、姉妹の作った料理を食べた老人がマズそうにしたり(^^;
晩餐会の客は、集落の人々とローレンス将軍と伯母の12人。
さすがに将軍は、料理やお酒の真価に気付き驚きます。
質素な暮らしで、フランス料理など縁のない集落の人々も、徐々に料理の美味しさに酔いしれます。
そして、年老いていがみ合うようになっていた、互いの心のわだかまりもほぐれて行きます。
将軍は、若い頃この集落を訪れ姉妹に恋した兵士の、出世した姿。
彼は語ります。
「人生の辛い選択などに、実は意味はない」
過去の決断に後悔の念を抱く人に向けた、温かいメッセージ。
娘への思慕を胸に秘め、これからも生きて行く、自分自身にも向けた言葉なのでしょう。
そして別れ際には。
「常にあなたが心の中にいました、これからも毎日、あなたと共に生きます」
うーん。たまりませんねぇ。
その他、宗教的な名言も沢山ありました。
「あの世へ持っていけるのは、人に与えた物だけ」
なるほど。
「情けは人の為ならず」
ですね。
脇役の皆さんも、それぞれに魅力的でした。
料理や給仕を手伝った少年。
もちろんフランス料理に関わるなど初めてでしょう。
的確な指示にしっかり応えていました。
彼にとっても、素晴らしい経験になったことでしょう。
将軍の馬車の、御者のおじさん。
晩餐会を待つ間、台所の隅でしっかり料理と酒のお相伴にあずかって上機嫌。
いやー良いですねぇ。
穏やかで美しく、幸せな気分になれる映画でした。
余談です。
帰宅後ネットで確認。
「バベットがパリから村にやって来たのは1871年」と語っていたと思います。
「皇后と共にパリを追われた」というようなセリフもありました。
この年にフランスで何があったか、ウィキペディアで確認。
・パリ・コミューンが成立、2ヶ月後に鎮圧された
・普仏戦争終結、フランスの敗北によりナポレオン3世が失脚、同時にフランス第二帝政も終わる
なるほど。
「12人分の食事に1万フラン」は、ごれほどの価値なのでしょう、ネットで検索。
ヤフー知恵袋
19世紀後半のフランス・フランは現在の日本円に換算すると約何円ですか?
・兌換通貨として金の価格から見て
当時の1フラン=現在の600円~1500円
コインの散歩道
「レ・ミゼラブル」より
・労賃を基準にすると、1フラン=5000円
・食糧を基準にすると、1フラン=2000円
・物(衣類、生活道具)を基準にすると、1フラン=500円
ざっくりと、1フラン1000円前後。
1万ドルは1000万円という感じなのですね。
このあたり、日本の歴史で例えれば、、、
・関ケ原の合戦は1600年
・江戸時代の一両はざっと10万円程度
などと同じように、欧州の人には常識なのでしょう。
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