展示概要のご報告だけで、7日もかかってしまいました。
大変な見ごたえで、一日たっぷり楽しめました。
ここ「ザ・ヒロサワ・シティ」内には、隈研吾設計による美術館もあります。
そちらも寄ろうかと思っていましたが、時間が足りませんでした。
「ユメノバ」は今年の2月にオープンということで、どこも新しくてピカピカ。
私なんぞ、どの分野にも大した知識もありませんが、それでも感心して眺めてしまいました。
貴重な個人コレクションの散逸を防ぐ文化的な意義のある施設だと思います。
とは言うものの。
今後どうなるか、個人的にはちょっと心配になりました。
思い出されるのは、埼玉県小鹿野町の「バイクの森」です。
個人のコレクションをベースにした展示で、入場料は1000円でした。
ここ「ユメノバ」と、よく似た成り立ちです。
私も何度も行きましたが、駐車場のイベントだけ参加して入場しない日もありました。
結局、2009年5月に開館して2010年9月に閉館してしまいました。
さて「ユメノバ」です。
YS-11や零戦、D-51や寝台車などは、普遍的価値と言っては大げさでしょうか。
大人でも子どもでも、大きくてスゴくて、それなりの見ごたえを感じるかと思います。
その一方で、クルマやバイクの展示内容ですが。
個人のコレクションのようですが、60代半ばの私でさえ免許年齢以前のものがほとんどです。
つまり、展示車両を懐かしく感じるのは70代以上の方でしょう。
私より若い方々にとっては、良く知らない古いものばかり。
そしてここは、基本的に「展示場兼収蔵庫」のようです。
ミニカーや消防車が良い例ですが、ありったけのコレクションを全部並べているようです。
あまりの数に驚き、1台ずつをじっくり見る気になれません。
そして、再度訪問しても展示内容の変化は期待できないでしょう。
更に、入場料は大人2,500円と結構な金額です。
これだけの施設です。初期費用と維持費用を考えれば、決して暴利ではないとは思いますが。
この金額で「同じ展示をもう一度」では、リピートの足は向きにくいでしょう。
他にも気になることが幾つか。
まずは、広大な敷地に多くの展示室。
展示品にさわれるのに無人という場所が多かったのが、どうも引っかかります。
思い出されるのは「所沢航空発祥記念館」です。
・2012年2月4日(土) 所沢航空発祥記念館
平成4年(1992年)まで所沢の運輸省東京交通管制部で使われていたという管制卓。
一見ちゃんとしているようですが、スイッチやコード類など細かい部分はボロボロでした。
「自由にさわれる」ということは、つまりそういうことですよね。
考えたくないですが、悪意のある来訪者も心配です。
展示品は、クラシックな機械類がメインですが、他にも様々な物品や印刷物など。
それらをちゃんと維持管理できるのかも、気になります。
思い出されるのは「サーキットの狼ミュージアム」です。
2018年7月15日(日) 補完計画「東国三社~サーキットの狼ミュージアム~佐原の大祭」その2
メインのスーパーカーは、キレイに維持管理されていました。
ところが、サブの展示品はひどいもの。
当時の少年ジャンプやスクランブル・カーマガジンなどの書籍類。
更には、プラモデルや玩具類。
すっかり色あせて、残念な状態でした。
こちら「ユメノバ」の展示品は、もっと幅広い分野ですからね。
配慮すべき点は多そうです。
調べてみると、広沢グループの会長の廣澤清氏は現在85歳のようです。
失礼ながら、現役で活躍できる期間は、そう長くはないでしょう。
採算度外視のような「ユメノバ」を、先のような懸念点を克服し、今後も維持管理して行けるでしょうか。
批判をしたいわけではありません。
繰り返しになりますが、国立博物館の所蔵品の初の民間展示や、個人コレクションの散逸を防ぎ維持公開する。
これらの文化的な意義は、大変大きいと思います。
それだけに、管理体制をしっかり整え、長く存続してもらいたいと思うわけです。