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2024年11月 3日 (日)

埼玉県平和資料館の映画会「父と暮らせば」

2024年10月27日(日)です。

埼玉県平和資料館です。
20241027_01
ここでは、毎週末に映画会を開催しています。
https://www.saitama-peacemuseum.com/services-1
上映開始13:30、参加無料、各回160名先着順。

今回は「父と暮らせば」
概要は、映画.comから拝借。
原爆投下から3年後の広島を舞台に、生き残った負い目を抱える娘と、彼女の前に幽霊となって現れた父の交流を描いた人間ドラマ。
井上ひさしの同名戯曲を基に、「美しい夏キリシマ」の黒木和雄監督がメガホンをとった。
昭和23年、広島。
3年前の原爆で父・竹造を亡くした美津江は、自分だけが生き残ったことに負い目を感じながら生きていた。
勤務先の図書館で知り合った青年・木下と惹かれ合いながらも、幸せになることへの罪悪感から一歩を踏み出すことができない。
そんな美津江の前に幽霊となって姿を現した竹造は、ふたりの恋を成就させるため、どうにか娘の心を開かせようとするが……。
宮沢りえと原田芳雄が主演を務め、浅野忠信が共演。
2004年製作/99分/日本

原作の戯曲は大昔に読んで、映画も以前から気になっていました。
ですが、広島の原爆がテーマですからね。
積極的に見ようとは思っていませんでした。

先日見た、舞台劇のような映画。
・2024年10月3日(木) 見てきました!!! 映画「スオミの話をしよう」
10年近く前に見た、この戯曲を意識して作られたらしい映画。
・2015年12月22日(火) 見てきましたが、、、映画「母と暮らせば」

これらの作品を思い出し、見てみることにしました。


会場はこの通り。
移動式のひな壇客席で、充分快適な環境です。
観客の入りは3割程度でしょうか。
客層は、言うまでもありません。
20241027_02

うーん。良いですねぇ。
井上ひさしらしい、がっつり方言でのやりとり。
カリカリに細くて陰のある宮沢りえは、主人公の美津江にぴったり。

美津江の恋心から生まれた、竹造の幽霊
木下さんを見て一瞬ときめいた、その時のときめきから、このわしの胴体が
そっともらしたため息から、わしの手足が
うちのおる窓口へきてくれんかな、そのねがいから、わしの心臓が
幽霊の父に、ここまで心を読まれてしまっては、娘も本音で語らざるを得ませんね。

木下の来報を待つ美津江
竹造が風呂を沸かし、ビール一本、氷は五百匁。
にいなのてのごい=新しい手拭い も用意して
お。
「この世界の片隅に」すずさん「にいなの傘」を持って嫁入りしていましたっけ。
・2016年11月18日(金) 見てきました!!! 映画「この世界の片隅に」

木下の故郷は岩手
美津江宮沢賢治の詩が好きで「星めぐり」の一節を口ずさむ。
あかいめだまのさそり、ひろげた鷲のつばさ・・・
お。
高倉健と大滝秀治の遺作「あなたへ」でも、田中裕子が歌っていましたっけ。

原作の戯曲では、木下が家にやって来る気配で終わります。
映画も、それで終わりかと思ったら。
え?
原爆ドームから見上げる青空。
がれきの中に咲く、小さな黄色い花が二輪。

うーん。
この花は、何を意味しているのでしょう?

美津江と竹造?
実は二人とも亡くなっていて、この話は幽霊同士の会話だった?

美津江と木下?
二人とも、原爆投下直後の広島を歩き回っています。
美津江は「原爆病」の症状も出ているようです。

うーん。
苦しい被爆体験を経て、ささやかな幸せに至る。
そんなエンディングが、最後の数秒で全く違った未来を予感させるものへ。
原作を超える、映画版独自のメッセージと捉えて良いでしょうか。

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