見てきました!!! 映画「敵」
2025年1月17日(金)公開の映画で「敵」というのがありまして。
原作は、私の大好物、筒井康隆の小説です。
1998年に出版された原作を読み返したうえで、見てきました。
いやー、良かったです。
主演の長塚京三さん、元大学教授にぴったり。
いかにも教養のある紳士と言う感じ。
自分で作る食べ物が、実に旨そう。
まずは朝食です。
鮭の切り身は、IHヒーターに網を乗せて焼きたてを食卓へ。
ハムエッグは、貰い物のハムを厚めに切って、たまごを落として蒸し焼き。
無造作に黄身から食べるのが、たまりません。
昼食は麺類。
冷麺には一個だけゆで卵を作って、専門店で買ったキムチを添えて。
蕎麦は自分で茹でて薬味も揃えて、幅1センチくらいの海苔が散らしてあります。
映画では語られませんが、原作ではこうです。
「笊に盛った蕎麦の上には海苔を鋏で短冊に切って散らす。」
これを再現しているようです。
夕食も凝っています。
焼き鳥を串から準備。
レバーを牛乳に漬けて臭みを取って串に刺して。
葱と鶏を交互に串に刺して。
卓上で焼きながら食べる。
コーヒーは、もちろん毎回豆を挽いて淹れています。
食事の描写が長くなってしまいました。
その他にも、雑誌の連載記事を書いたり、教え子が訪ねて来たり、友人と飲んだり。
映画前半では、このような充実した生活が描かれます。
言うまでもなく、その生活が、徐々におかしなことになるわけです。
最後がどうなるかは、言うまでもないですね。
映画で原作と異なる点。
バー「夜間飛行」で知り合う女子大生。
彼女の本に挟まった、しおり代わりのハガキは、授業料の督促状。
これをきっかけに、主人公は300万円をだまし取られます。
おまけに、行きつけのバーも閉店。
え?
経営者と彼女が結託していた、という事でしょうか?
世間知らずの元大学教授、下心ミエミエという描写だとは思いますが。
エピソードとしては、いささか世俗的すぎるように思います。
原作通りに「好意を持っているが会えない」だけでは、確かに物語としては弱いとは思いますが。
余談です。
女子大生は、立教大学の仏文3年だそうです。
おや。また立教ですか。
・2022年11月29日(火) 見てきました!「すずめの戸締まり」その2
まぁ、イメージとしては分かりますけど。
終わり方ですが。
原作では「春が待ち遠しい」という主人公のモノローグで終わります。
紙面が真っ黒に見えるような饒舌な文章が続いていたのに、最後は余白たっぷり。
主人公の死を暗示する、名シーンだと思います。
映画では、主人公の葬儀のシーンが追加されています。
親戚一同集まる中で、遺産相続人となる従兄弟の長男が、物置の写真帳などを眺める。
古い写真帳には、主人公そっくりの祖父の写真が。
良く出来た話でエピローグが見たくなることは、良くありますからね。
その意味でも、これはこれで悪くはないですが。
小説の方が、余韻が感じられて好ましく思います。
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