映画など

2024年12月 1日 (日)

見てきました!!! 映画「ジュブナイル」

2000年に公開された、山崎貴の映画監督デビュー作です。
・映画「ジュブナイル」4Kデジタルリマスター版
・2024年11月22日(金)~11月28日(木)までの限定公開
・第二作の「リターナー」も翌週に限定公開
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さっそく見てきました。
やはりこれは、良いですねぇ。
・幼なじみの少年たちの、友情と淡い恋
・未来からやってきた、丸くてかわいい小型ロボット
・小さな電器店の変わり者店長は、実は天才科学者
・相次ぐ不思議なできごとは、地球の海水をすべて奪おうとする宇宙人のしわざ
・地球の危機を救うのは、もちろんロボットと少年たち

この映画の主人公たちは、小学校の高学年。
少し話は逸れますが、だんだんナマイキになる年頃です。
幼い頃は夢中で見ていたヒーロー番組に、突っ込みを入れたりするようになったりね。
この映画の面白さのひとつ。
そういった「突っ込みポイント」に、しっかり「答え」を用意しているところかと思います。

・初めて扱う新兵器なのに、なぜ初めからちゃんと操作できるのか?
 戦闘ロボットの操作方法は、事前にPS2のゲームで学ぶ。

・主人公に指令を出す人物は、なぜ正体を隠すのか? 
 謎の人物は未来の自分、名乗らない理由は、、、
 「将来の自分を知ってしまえば、俺は絶対になまける」

・新兵器を作る材料は、どこから持ってきたのか?
 未来から来た球体の小型ロボットは、まず廃材で自分の手足を作る。
 その後、ある研究所から資材をトラックで持ち出して戦闘ロボットを作る。

この逆もありました。

・有名なウェルズの「宇宙戦争」で宇宙人を倒したのは、地球の病原菌。
 宇宙人に捕らえられた少女は、乳酸菌入り胃腸薬を切り札として取り出すが、、、
 あっさり光線で焼かれてしまう(^^;

ナマイキなティーンエイジャー
も納得する、心おどる要素がてんこ盛り。
まさに「ジュブナイル」=少年少女向けの物語です。
何歳になっても子どもの尻尾が取れない、しょうもない大人も大感激。


おまけです。
当時のSMAPの香取慎吾さん。
タイムマシンを研究する天才科学者として、少年たちを助けて大活躍。
小さな電器店の名前は「神崎ラヂオ商会」。
山崎貴監督の第三作「ALWAYS 三丁目の夕日」では、舞台の商店街に同じ名前のお店がありましたっけ(^^)
帰りの電車では「サントリー天然水きりっと果実」を、笑顔で飲んでいました。
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2024年11月25日 (月)

見てきました!!! 映画「アイミタガイ」

2024年11月1日(金)公開。
黒木華さん主演の映画です。
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中学時代からの親友を亡くした主人公。
すでにいない親友に向かい、LINEで思いをつづる。
恋人はいるが離婚した両親を思うと、結婚する気にはなれない。
そんな彼女を中心に、思いがけない出会いが連鎖して行く。

亡くなった親友の父が、こんな感じのことを語っていました。
仕事柄多くの小説を読むが、善人ばかりの話はうさんくさい。
そう思っていたが、今は信じたい気持ちになる。
この通りの、心温まる良い話でした。

草笛光子さんが引くピアノ曲。
ドボルザークの「新世界より」、と言いますか「家路」
プレスリーの「Love Me Tender」、と言いますか「オーラ・リー」
誰でも知っている曲が、しみじみと心に沁みます。


ちょっとぶつぶつ言ってしまいます。
「アイミタガイ」「相身互い」
用例としては「武士は相身互い」しか思いつきません。
つまり「ご同輩同士」の助け合いのことですね。
ネット辞書では、以下の通り。
《「相身互い身」の略》同じ境遇にある者どうしが同情し、助け合うこと。また、その間柄。

この映画では、もう少し緩く幅広い意味で使われています。
「助け合い」は「自分も助けられる」という意味を含みますが。
そのようなことのない、緩く小さな他者への思いやり
「お互いさま」という感じでしょうか。
まぁね。
普段の生活では、まず使う機会のない言葉です。
新しい意味が加わるのは、悪くないですね。

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2024年11月 6日 (水)

映画「ゴジラ-1.0」地上波初放送

2024年11月1日(金)です。
日本テレビ系「金曜ロードショー」で「ゴジラ-1.0」地上波初放送。
テレビの予約画面は、この通り。
Godzilla1_1_20241101
金曜ロードショー「ゴジラ-1.0」★早くも地上波初放送★本編ノーカット
地デジ041 日テレ 11/1(金) PM 9:00 ~ PM11:29
怪獣映画だと食わず嫌いして見ないのは損!
これは極上の人間ドラマだ!
★邦画・アジア映画史上初のアカデミー賞視覚効果賞受賞作

なるほど。
怪獣映画は「食わず嫌い」するものなのですねぇ。
極上の人間ドラマという表現に異論はありませんが、視覚効果賞受賞作とは整合しないのが残念。


本編終了後、10秒ほどの告知映像がありました。
YouTubeにも上がっていたので、そちらをキャプチャ。
Godzilla1_2_20241101
ナレーション:臨時ニュースを申し上げます
緊急告知
ゴジラ新作映画
製作決定
監督・脚本・VFX 山崎 貴
続報を待て

「製作」なのが、ちょっと気になります。
間違いではないとは思いますが「制作」としたいところです。
それはさておき。
続報を楽しみに待ちましょう(^^)

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2024年11月 3日 (日)

埼玉県平和資料館の映画会「父と暮らせば」

2024年10月27日(日)です。

埼玉県平和資料館です。
20241027_01
ここでは、毎週末に映画会を開催しています。
https://www.saitama-peacemuseum.com/services-1
上映開始13:30、参加無料、各回160名先着順。

今回は「父と暮らせば」
概要は、映画.comから拝借。
原爆投下から3年後の広島を舞台に、生き残った負い目を抱える娘と、彼女の前に幽霊となって現れた父の交流を描いた人間ドラマ。
井上ひさしの同名戯曲を基に、「美しい夏キリシマ」の黒木和雄監督がメガホンをとった。
昭和23年、広島。
3年前の原爆で父・竹造を亡くした美津江は、自分だけが生き残ったことに負い目を感じながら生きていた。
勤務先の図書館で知り合った青年・木下と惹かれ合いながらも、幸せになることへの罪悪感から一歩を踏み出すことができない。
そんな美津江の前に幽霊となって姿を現した竹造は、ふたりの恋を成就させるため、どうにか娘の心を開かせようとするが……。
宮沢りえと原田芳雄が主演を務め、浅野忠信が共演。
2004年製作/99分/日本

原作の戯曲は大昔に読んで、映画も以前から気になっていました。
ですが、広島の原爆がテーマですからね。
積極的に見ようとは思っていませんでした。

先日見た、舞台劇のような映画。
・2024年10月3日(木) 見てきました!!! 映画「スオミの話をしよう」
10年近く前に見た、この戯曲を意識して作られたらしい映画。
・2015年12月22日(火) 見てきましたが、、、映画「母と暮らせば」

これらの作品を思い出し、見てみることにしました。


会場はこの通り。
移動式のひな壇客席で、充分快適な環境です。
観客の入りは3割程度でしょうか。
客層は、言うまでもありません。
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うーん。良いですねぇ。
井上ひさしらしい、がっつり方言でのやりとり。
カリカリに細くて陰のある宮沢りえは、主人公の美津江にぴったり。

美津江の恋心から生まれた、竹造の幽霊
木下さんを見て一瞬ときめいた、その時のときめきから、このわしの胴体が
そっともらしたため息から、わしの手足が
うちのおる窓口へきてくれんかな、そのねがいから、わしの心臓が
幽霊の父に、ここまで心を読まれてしまっては、娘も本音で語らざるを得ませんね。

木下の来報を待つ美津江
竹造が風呂を沸かし、ビール一本、氷は五百匁。
にいなのてのごい=新しい手拭い も用意して
お。
「この世界の片隅に」すずさん「にいなの傘」を持って嫁入りしていましたっけ。
・2016年11月18日(金) 見てきました!!! 映画「この世界の片隅に」

木下の故郷は岩手
美津江宮沢賢治の詩が好きで「星めぐり」の一節を口ずさむ。
あかいめだまのさそり、ひろげた鷲のつばさ・・・
お。
高倉健と大滝秀治の遺作「あなたへ」でも、田中裕子が歌っていましたっけ。

原作の戯曲では、木下が家にやって来る気配で終わります。
映画も、それで終わりかと思ったら。
え?
原爆ドームから見上げる青空。
がれきの中に咲く、小さな黄色い花が二輪。

うーん。
この花は、何を意味しているのでしょう?

美津江と竹造?
実は二人とも亡くなっていて、この話は幽霊同士の会話だった?

美津江と木下?
二人とも、原爆投下直後の広島を歩き回っています。
美津江は「原爆病」の症状も出ているようです。

うーん。
苦しい被爆体験を経て、ささやかな幸せに至る。
そんなエンディングが、最後の数秒で全く違った未来を予感させるものへ。
原作を超える、映画版独自のメッセージと捉えて良いでしょうか。

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2024年10月25日 (金)

見てきました!!! 映画「侍タイムスリッパー」その4

大変面白かった映画「侍タイムスリッパー」について。
単館上映でスタートし、今や全国で公開されテレビCMも流れている、評判の映画です。
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見ていて、様々な映画やドラマが思い出されました。

「侍が現代に蘇る」という設定は「SFソードキル」という映画が思い出されます。
ネットで確認。
1984年のアメリカ映画。日本での公開は1986年。主演は藤岡弘。
当時話題になったのは覚えていますが、私は見ていません。
配信はないようですし、中古DVDも良いお値段。
機会があれば、見てみたいものです。

時間差のあるタイムスリップで、二人の年齢差を調整する。
これは、私の好きなSF小説「夏への扉」に出てきます。
こちらでは、コールドスリープの期間を調整して、少女がお年頃の女性になります。
3年前に映画になりましたが、見ませんでした。
・2021年1月13日(水) 誰得? 映画「夏への扉」

タイムスリップした新左衛門、生活の様々なシーンに戸惑ったり、料理に感動したり。
このあたり、私の好きなテレビドラマ「仁-JIN-」のようです。
こちらは、現代の医師が幕末にタイムスリップという逆方向ですが。
・2022年9月29日(木) ながめ余興場でTVドラマ「仁」撮影の結果は・・・
「仁」の第一話で、主人公は切り合いを見て時代劇の撮影だと思いました。
これも正反対の設定で、なかなか面白い。

新左衛門が切られ役になる太秦の描写は、つい先年見たばかり。
大変面白かった、2021年のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」そのものですね。
・2021年12月29日(水) 面白い!!! NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
このドラマ中での、テレビ時代劇の立ち回りシーン。
主人公は、鞘を高く上げて刀を収めて決めゼリフ。
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映画でも、これとそっくりなポーズが出てきました。
映画に比べて画面の小さいテレビで、顔と刀を同じ画面に収める工夫でしょう。

ラストの決闘で数十秒動かない緊迫した描写は、黒澤明「椿三十郎」
・2018年7月4日(水) 見てきました!!!映画「椿三十郎」
「もしかして、椿三十郎同様に一瞬で勝負を決するのか?」と思いましたが、激しい戦いが繰り広げられました。

主演の山口馬木也
私の好きな「剣客商売」のテレビシリーズで、主人公の息子「秋山大治郎」を演じています。
主人公の藤田まことの印象が強く、正直なところ、特にどうという印象はありません。
その後キャリアを積み、今回初の主演作が思いがけない大ヒット。

主人公が、会津弁や当時の所作が抜けない描写は、良かったです。
立って他人と相対する時は、足は軽く広げ手のひらは腿のあたり。
会津ではありませんが、藤沢周辺原作・山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」などが思い起こされます。

幕末の会津藩士という点では、浅田次郎の小説「壬生義士伝」が思い出されます。
貧しい下級武士が、家族を支えるために新選組で奮闘する感動作。
2003年に映画化もされましたが、そちらは原作の感動には程遠い出来でした。


延々と、様々な作品を挙げてしまいました。
これらは、あくまで私の気付いたものです。
この映画の制作にあたり、実際にこれらを参考にしているかは分かりません。

「パクリ」などと言いたいわけではありませんよ。
この映画は、安田淳一という監督が自ら脚本を書いた自主製作映画だそうです。
ウィキペディアによりますと、脚本の面白さから、東映京都撮影所の全面協力を取り付けたそうです。
そして「未来映画社」としては3作目で、前作からは7年経っています。

良い脚本を作るため、様々な情報を総動員。
じっくりと時間をかけて、練り上げて。
東映京都撮影所の関係者の心を動かし、多くの観客の心を揺さぶるまでに仕上げた。
その点がすばらしいと、言いたいわけです。

だいぶ引っ張ってしまいましたが、これくらいで。

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2024年10月24日 (木)

見てきました!!! 映画「侍タイムスリッパー」その3

大変面白かった映画「侍タイムスリッパー」について。
単館上映でスタートし、今や全国で公開されテレビCMも流れている、評判の映画です。
Samurai_202410

気づいたことを少し。

まずは時代設定について。
現代の登場人物が使う携帯電話は二つ折りのタイプ。
撮影所のテレビの横には、伊丹十三の映画のVHSビデオが並んでいました。
今よりも10年以上前という感じです。

あっそうか。
現在を舞台にすると、もう時代劇は本当に絶滅危惧です。
全盛期の勢いは失われても、まだ「水戸黄門」などが放送されていた時代を舞台にしたのですね。
ネットで確認。
ウィキペディアによると、設定は2007年だそうです。


次に、揚げ足取りをひとつ。
主人公の会津藩士、高坂新左衛門。
タイムスリップしてしまった、現代の町なかをうろうろ。
黒船来航から140年という博物館のポスターを見て、事実を知ります。

はて?
文章は、左から右に読む横書きでした。
まぁこれは、何となくわかるでしょう。
ですが「140年」という表記はどうでしょう。
アラビア数字が日本に伝来したのが、いつ頃かは知りません。
仮に日本に伝わっていたとしても、幕末の田舎侍が知っていたとは思えません。
私の気付かなかった、何かの設定があるのかも知れませんが。

いずれにしても「博物館のポスターで時代を知る」という設定自体は、うまいものだと思います。
主人公も観客にも事情が一目でわかり、費用も最小限で済みます。
未来に行った主人公に「140年後」をどう気付かせるか?
私もいろいろ考えてみましたが、このポスター以上のアイデアは思いつきません。

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2024年10月23日 (水)

見てきました!!! 映画「侍タイムスリッパー」その2

大変面白かった映画「侍タイムスリッパー」について。
単館上映でスタートし、今や全国で公開されテレビCMも流れている、評判の映画です。
Samurai_202410

話は後半に飛びます。
以下、物語の核心部分について盛大にネタバレします。
これから見ようと思っている方は、読まない方が良いと思います。

新左衛門は、大物俳優の風見恭一郎から、新作映画の相手役として指名される大抜擢。
なんと恭一郎は、彼が暗殺しようとしていた長州藩士。
一緒にタイムスリップしたものの、数十年早い時代に着地?したようです。
当時は時代劇全盛期。彼も新左衛門と同じような経緯で時代劇に出演して、人気俳優になったようです。

新作映画は、戊辰戦争のなかの会津戦争を描くもののようです。
脚本を読んで、新左衛門は会津藩の悲惨な運命を知ります。
そしてクライマックスシーンの撮影。
なんと二人は、真剣で立ち会います。
数十秒間、じっとにらみ合う緊迫の展開。
見ている私も「まさか本気で命のやり取りをする気なのか?」と、引き込まれてしまいます。

新左衛門は上段の構え。
剣を後ろに倒す実戦の構えではなく、殺陣師の指導した通り剣をまっすぐ上に構えています。
なるほど。
実戦ではなく「あくまで殺陣としての立ち合い」なのですね。
その点に少し安心しながら、激しい切り合いに見入っていると・・・
ほとばしる血しぶき!
シーンは映画館に切り替わり、映画のラストシーンだと分かります。
再度シーンは撮影現場に戻り「はーいそれでは、血のりのシーン行きまーす」
いやー面白い。
やってくれますねぇ。

そしてラストの小ネタです。
誰かが、時代劇撮影所に現れるシーンで終わり。
おぉ、なるほど。
新左衛門と一緒に長州藩士を襲撃した、あまり強くない同僚ですね。
映画冒頭で、柄頭で腹部を突かれ、あっさり失神してそれっきり。
すっかり忘れていた彼が、ここで姿を見せますか。
そういえば。
新左衛門と語り合うシーンで、恭一郎が「あの丸顔はどうなったかな」なんて言っていましたっけ。

うーん。
様々な伏線がうまく効いていて、本当に面白い。

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2024年10月22日 (火)

見てきました!!! 映画「侍タイムスリッパー」

単館上映でスタートし、今や全国で公開されテレビCMも流れている、評判の映画です。
Samurai_202410
概要は、ウィキペディアから抜粋です。
幕末の会津藩士・高坂新左衛門が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディ映画。
なるほど、これは面白いですねー。
良く練り込まれた脚本。
ユーモラスな小ネタ。
分かりやすい感動シーン。
緊張感あふれる殺陣シーン。

以下、ネタバレします。

主人公の会津藩士、高坂新左衛門
役にも付かず嫁も貰えないと語っていました。
下級武士の「部屋住み」次男三男なのでしょう。

そんな彼が現代にタイムスリップして、塩おむすびの美しさ美味しさに感動。
食後のショートケーキの美味しさにも驚き。
更に、それが誰でも食べられるものと聞いて「良い時代になっている」と涙を流し感激します。
当然のこと、テレビにもびっくり。
「暴れん坊将軍」のような時代劇を見て大感動。
そのことをヒロインの女性助監督に伝えると、彼女も目に涙を一杯にためて感激。
良いですねぇ。
タイムスリップした本人の戸惑いと感動をしっかり描いて、見ているこちらも共感ひとしお。

その一方で、女性助監督や居候するお寺の住職夫婦。
新左衛門の身元については、頭を打って記憶喪失という事で、それ以上の詮索は一切なし。
これも良い割り切りで、感心します。

その後、仕事として時代劇の「切られ役」になります。
本物の武士が、生活のため偽物の武士を演じるわけですね。
殺陣師の指導のシーンもリアル。
「上段の構え」で、剣を後方に大きく傾けるのを修正されます。
それでは、後ろにいる他の俳優に当たる心配がある。
まっすぐ上に構えるのだと。
なるほど。
その方が見栄えも良いですしね。
このシーンは、緊迫のラストシーンの重要な伏線になっています。

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2024年10月 4日 (金)

見てきました!!! 映画「スオミの話をしよう」その2

この女、何者?
大富豪の妻・スオミが消えた。集まったのは彼女を愛した5人の夫たち――。
この秋、三谷幸喜・最高傑作!極上ミステリー・コメディの幕が上がる!
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三谷幸喜による脚本・監督の最新作を見てきました。
雑感をもう少し。


先日、過去の三谷幸喜映画作品の興行収入を確認しました。
・2024年9月13日(金) どうしますかねぇ…映画「スオミの話をしよう」
この時に「興行収入と私の印象は、ほぼ合致」と書きました。
いささか乱暴だったので、訂正します。

各作品の興行収入を棒グラフにしてみました。
単位は「億円」です。
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初期の二作「ラヂオ」「みんな」は、私としては、かなり面白かったです。
まだ三谷監督の評価が固まる前なので、この程度の興行収入に留まったのでしょう。

前作の「記憶に」は、私としては「清須」以下だと思っています。
大量の広告宣伝で観客を集めたのだなー、なんて思ってしまいます。
・2019年10月4日(金) 見てきました! 映画「記憶にございません!」

さて。
今回の「スオミの話をしよう」ですが。
私としては「清須」より少し上という程度かな、と感じています。

先の「最高傑作」「極上ミステリー」は、あくまで宣伝文句ですからね。
これらを真に受けてしまうのは、違うと思います。
それを割り引いても、、、「良作」という程度かと思います。


ついでに書いておきます。

脅迫電話では、小型飛行機を「セスナ」と言っていました。
どなたもご存じ。セスナは「単発エンジンの軽飛行機の代名詞」になっています。
ですが、正しくはセスナ・エアクラフト・カンパニーというメーカーの略称でしょう。
映画に登場した飛行機が、同社の製品かどうかは分かりません。
仮にそうだとしても、映画でこのような代名詞は、避けておいた方が無難ではないかと思います。

坂東彌十郎演じる、大金持ちの現夫ですが。
どなたもお気づきでしょう。明らかに「相田みつを」のパロディでした。
ご本人はすでに亡くなっていますが、関係者からクレームが来てもおかしくないように思いました。
相田みつをがブームになった当時、批判的にとらえる詩人や文化人も多かったそうです。
三谷幸喜さんも、そのような考えなのでしょうか。

まとまりませんが、このくらいで。

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2024年10月 3日 (木)

見てきました!!! 映画「スオミの話をしよう」

この女、何者?
大富豪の妻・スオミが消えた。集まったのは彼女を愛した5人の夫たち――。
この秋、三谷幸喜・最高傑作!極上ミステリー・コメディの幕が上がる!
Suomi_202409_20240929230401

三谷幸喜による脚本・監督の最新作です。
見るかどうか迷っていたのですが。
・2024年9月13日(金) どうしますかねぇ…映画「スオミの話をしよう」

友人に誘われて、見てきました。
この映画は、単体としてだけでなく、周辺事情も気になります。

公開から時間が経ちました。
まずは、世間一般の評判です。
普段、このような他人の評価など気にしないのですが。
どうもあまり評判が良くないようなので、一応確認します。
なるほど。
映画.comで2.8ポイントと、かなりの低水準。
私としては、充分満足したのですが。

もうひとつ。
三谷幸喜の過去作品との比較です。
前々作の「ギャラクシー街道」は、話にならないひどさ。
・2015年11月21日(土) 一体どうした…? 映画「ギャラクシー街道」
前作の「記憶にございません!」も、いまひとつでした。
・2019年10月4日(金) 見てきました! 映画「記憶にございません!」

これらに比べますと「スオミの話をしよう」は、はるかに良かったと思います。

現夫の豪邸に集まる、スオミの元夫たち。
皆が個性的でエキセントリックで面白い。
彼らに対応するスオミの姿、出会いや暮らしの様子も、うまく特徴を出していると思います。
前作のような、下らないギャグや唐突な感動シーンがなく、落ち着いて見ていられました。

後半には、瀬戸康史扮する新米刑事が、真犯人の謎解きをします。
これをもって、この映画を「ミステリー作品」と捉えるのは、違うでしょう。
このシーンは、新米が名探偵を気取ってスベるギャグと見るべきでしょう。

ごく短い、感動シーンのようなものが、一つだけありました。
坂東彌十郎演じる、大金持ちの現夫です。
スオミと4人の元夫の話を聞いて、スオミが相手が求める女性像を演じていると知ります。
「もし私が求めていれば・・・?」
愛していた前妻のようなスオミに出会えていたかも知れません。
坂東彌十郎さん。「鎌倉殿の13人」に続いて、年を取ってもモテ男。
良い味を出していました。

続きは後ほど。

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