映画など

2018年9月27日 (木)

お楽しみ「ビブリア古書堂の事件手帖」

先週末の三連休。
お彼岸の来客待ちで、手持ち無沙汰な時間がありまして。
こういう時は、軽くて楽しい本を読みましょう。

で、「ビブリア古書堂の事件手帖」です。

どなたもご存知、大変人気のあったライトミステリ小説のシリーズです。
2011年3月に1巻が出て、2017年2月の7巻で完結しています。
私は2014年12月の6巻まで読んで、7巻は未読でした。

これを原作とした実写映画が、11月1日に公開予定です。
この機会に、7巻まで読み終えましょう。
結構時間が経っているので、6巻から読み直すことにします。
Biblia_1_201809

うーん。
やはり面白いですね、このシリーズ。

私は学生時代は神田の古書店街を毎日のように徘徊していました。
静かで薄暗い昔ながらの古書店は、今でも大好きです。
こちらの舞台は鎌倉周辺ですが、古書店の雰囲気が良く伝わってきます。

ホームズ役は、長い黒髪の似合う華奢な栞子さん。
ワトソン役は、長身でごつくて目つきの悪い青年、五浦大輔。
扱う事件は、様々な実在の古書。
展開される謎や人物背景も、古本の内容にマッチしていて好ましいです。

私も知っている作品もあれば、全く知らない作品も。
かなり古い作品が多いので「青空文庫」で読めるものも沢山出てきます。
パソコンで、そちらを読みふけってしまったり。
登場作品をまとめた「栞子さんの本棚」なんていう本も出ていたり。
おかげで、本編がなかなか読み進めなかったり(^^;

見どころの一つは、栞子さんと大輔の恋愛の進展です。
二人の関係の変化と共に、栞子さんの呼びかけが変化します。
「五浦さん」→「大輔さん」→「大輔くん」
ちょっとした出来事で、真っ赤になって固まってしまう栞子さん。
いやー、たまりませんねぇ(^^)

11月公開の実写映画の主演は、黒木華さん。
Biblia_2_201809
大いに気に入った「重版出来」では、元オリンピック柔道選手候補。
その他、戦前の中流家庭の住み込み家政婦だったり、小学校の先生だったり。
今週末9月28日公開の映画「散り椿」では、主人公の妻の妹だそうです。
10月に入ると、樹木希林さんと共演した「日々是好日」も控えています。

栞子さんとしては、ちょっと年が行っていて大柄で、個人的にはピンと来ません。
でも、芸達者な女優さんなので、それなりの栞子さんを見せてくれるでしょう。

それから、書下ろし小説の最新刊も本屋には平積みされています。
Biblia_3_201809
シリーズ新刊『ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~』
9月22日(土)発売。
ちょっと立ち読み。
2018年現在、なんと二人は結婚していました。
黄色いワンピースの女の子は、早くも江戸川乱歩を読みふける・・・

おっと。
楽しみは、順番に、ゆっくりと(^^)

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2018年9月11日 (火)

見てきました!!! 映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」余談

映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」について、どうでも良い話を少し。

主人公イーサン・ハント役の、トム・クルーズ。
ウィキペディアによれば、1962年7月3日生まれ、身長170cm。
ということは、今は56歳。撮影時だって50代。
すごいですねー。

出世作「トップガン」は1986年。32年前です。
タイミングを合わせたのでしょうか、ちょうど「午前十時の映画祭」で上映中。
Topgun_201809

そういえば、最近のネットのニュースで、こんな笑い話がありました。

安室奈美恵を見た子供たち 母親に放った「無慈悲な一言」に悲鳴が続出
Amuro_201808
 イッテQで安室ちゃんに興味を持った子供達。
 眠ってた歴代のツアーDVD見せながら
 「ママはこの時は小学生」
 「ママはこの時中学生」
 「ママはこの時高校生」
 「ママはこの時大学生」って言ってたら
 「ママはおばちゃんになったのになんでアムロちゃんは
 ずっとお姉さんなの?」って素朴な疑問来て死にそう
 21:22 - 2018年8月1日

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2018年9月10日 (月)

見てきました!!! 映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」です。
気分が落ち込む時は、こういう映画が一番。

先日の「カメラを止めるな!」の製作費は、300万円だそうです。
で、こちらは2億5000万ドルですって。
円ドルレート110円として、円換算で275億円。ざっと1万倍!
比較しても仕方ないですが。
Mip_201809

前作の「ローグ・ネイション」は、ものすごく面白かったです。

今回も、ものすご~く面白かったです。

このシリーズの見どころですが。
派手なアクションシーンや、あっと驚く作戦や罠やトラブルのハラハラ。
これはもう、言うまでもありませんね。

例えば、厳重な護送車から、重要人物を奪取する。
途中でトラブルを起こしてルートを変更させて、急襲。

例えばパーティ会場への侵入。
飛行機からパラシュートで屋根の上に下りる。
これは「高高度降下低高度開傘」って言うんですって。
ジェームス・ボンドも、潜水服の下にタキシード着てたことがありましたっけ。
普通に変装して、偽のパスポートで入国すれば? と思いましたが。
いやいやー。タイムリミット厳しいですからね。

他にも、核爆弾のコードを切断とか、ヘリコプター墜落とか。
高層ビルのオフィスに突入し、唖然とする人々に肩をすくめて見せるとか。

どこかで見たような、良くあるベタな展開。
それをもう、文句なしの大迫力で見せてくれる。
  どこかで見たようなシーンだって?
  見比べて、どうだい(ニヤリ)
そんな風に言われているようです。


何よりも、脚本と言いますかストーリーと言いますか。
お話自体が、本当に良く出来ていて、感心します。

前回の「ローグ・ネイション」では、初めに敵の催眠ガスで捕えられてしまいます。
そしてラストでは、しっかりと同じ手段でやり返す。

今回も、冒頭で別れた奥さんを回想するシーン。
そして最後は、敵の巧妙な罠で奥さんも危機に陥っていると。
奥さんも協力して、しっかりと逆襲!
最後には、意外な援軍が。

やたらに人を殺さないのも、良いですね。

いやー面白い。
上映時間は2時間28分。
どっぷりと映画に浸り、しっかりと楽しませてもらいました。

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2018年9月 5日 (水)

見てきました!!! 映画「カメラを止めるな」

じわじわと人気が盛り上がった、話題の映画です。

クラウドファンディングで、162人1,569,000円
Camera_201809_1
2017年11月に先行公開。
2018年6月から都内2館で公開。
2018年8月からは全国100館以上の規模に拡大。
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若い友人から聞いていました。
「すごく面白い!なるべく事前情報なしで見る方が良いですよ!」

近所の映画館にも来ましたので、行ってきました。

なるほどー、これは面白い。
ホラーでコメディでファミリーで。
感想を書けばネタバレになってしまいますので、やめておきます。


初めは小規模公開で、じわじわ来た映画と言えば、最近ではこれでしょう。

この時は、2016年11月12日(土)の公開直後に見てきました。
今回は、すっかり出遅れましたので、今さらドヤ顔も出来ませんが(^^;

とにかく、すごく面白いですよ!

こういう書き方が、更に人気をあおるのでしょうね。

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2018年7月 4日 (水)

見てきました!!!映画「椿三十郎」

いつも楽しみにしている「午前十時の映画祭」。
今年の夏は、黒澤明の時代劇特集です。

Tusubaki_201807
 用心棒・椿三十郎・七人の侍

さーて、どれにしましょうか。
いずれも、何度も見ていて何度見ても面白い傑作。
「七人の侍」は、一昨年このイベントで見ています。
ここは、バイオレンスよりユーモアが勝る「椿三十郎」にします。

いつものように話はシンプル。
 次席家老一派の悪だくみを糾弾する若侍たち。
 間抜けな彼らを見るに見かねた椿三十郎。
 彼らに力を貸し、捕えられた城代家老の救出をはかる。

若侍は、加山雄三、田中邦衛、平田昭彦など9人。
いかにも育ちの良いお坊ちゃんで面白い。
襲われて隠れたお堂の床下から、ぽんぽんぽん、、、と顔を出したり。
忍び込んだ庭先で、金魚のフンのようにぞろぞろ連なったり。

城代家老の奥方と娘は、危機的な状況でも、穏やかのんびり。
捕らわれた敵方の小林桂樹も、とぼけた良い味を出しています。

そして、襲撃の合図は小川を流れる沢山の椿の花。

北風吹きすさぶ殺伐とした宿場町の「用心棒」に比べますとね。
この春風駘蕩とでも言うような雰囲気が、何とも良いですね。

もちろん、緊迫感みなぎる殺陣もあります。
若侍のドジで、敵に正体がばれそうになる三船敏郎。
一人も生かしておけない、一気に30人斬り。

そして有名なラストシーン、仲代達也との決闘の血しぶき。

というわけで。これぞ娯楽時代劇。
面白さという点では、このあたりが最高ですよね。

 1954年 七人の侍
 1961年 用心棒
 1962年 椿三十郎

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2018年6月29日 (金)

今日のテレビ放送映画(^^)

今日の新聞の、テレビ番組紹介記事です。
20180629

 映画
 スター・ウォーズ 新たなる希望 (日テレ 夜9・00)
 77年、米。マーク・ハミル。
 シリーズの第4章となる旧3部作の第1作。
 帝国が独裁体制を敷く銀河系で、帝国打倒を画策する姫が帝国軍に捕まった。
 偶然、姫の窮状を知った若者ルークは密輸船の船長らと彼女の救出に向かう。
 ジョージ・ルーカス監督。

うわぁ~すごい。
書いているのは夏目漱石?
もしかして、40年前の公開時に書かれた文章でしょうか(^^;

いずれにしても、この映画の面白さは不滅です。

シリーズ最新作公開に合わせての放送なんですって。
そちらはまぁ、置いておいて。

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2018年6月22日 (金)

映画「終わった人」雑考

重版出来の8巻です。

映画についてのウンチク垂れにむかって、真正面からの反論です。
Jyuhan_8

 あんたのは意見じゃないでしょ。
 個人の好みを押し付けているだけでしょ。


 意見ってのは、
 「クソつまんねぇ
  →なぜつまんねぇか
  →ではどうしたらいいか
  →そうしたら どういった改善がみられるか」
 ここまでセットで「意見」になるんじゃないの?


なるほど。全くその通りですね。

今回の「終わった人」の場合。
私だったら、どうするか。
 まずは、銀行時代の活躍と子会社での「なんにも専務」状態の落差を描き。
 広末さんと文学との出会いで、あの頃の活力を取り戻す・・・
書いても仕方ないので、やめておきます。

この映画の原作は、内館牧子さんの小説だそうです。
原作より映画の方が良かった事例を、考えてみました。
えーと・・・
私の知識不足でしょうか、思いつきません。

逆に「原作の方が良かった」とか「原作を知っていれば見方が違うだろう」とか、
そんな事例は、あれこれや、幾つも思いつくのですが。


一方、テレビドラマですと、原作より良いと思えるものが幾つも思い当ります。

いずれも、ドラマが先で原作を後から読んでいるわけですが。
それを割り引いても「原作とドラマどちらも良かった」と私は思います。

あ。
思い出しました。
ユニバーサル広告社と同じ、荻原浩「愛しの座敷わらし」は、小説も映画も、どちらも良かったです。

長い小説を単発2時間に凝縮する。
難しいモンだなーという、ごく当たり前の結論になりますねぇ。

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2018年6月19日 (火)

見てきましたが、、、、、映画「終わった人」

映画にとって、大切なものは何か。
それは、しっかりとした人物造形と、説得力のあるストーリー。
そんなことを再認識するような映画でした。
Owatta_201806

以下、映画全般にわたり、ネタバレと私のがっかり報告です。
この映画を見て良かったと感じた方、これから楽しみたいと思う方は、読まないでください


舘ひろし演じる主人公は、こんな感じ。
 岩手の高校ではラグビー部キャプテン
 東大法学部を卒業し、メガバンクでは優秀な社員
 出世競争に負け、子会社に出向し専務で定年退職
 奥さんは美容師で、自分の店を持つ準備中

これはどうも、すごい経歴です。
メガバンク内では負け組でも、世間から見れば特上肝吸い付きの勝ち組でしょう。

定年退職の日から、映画はスタートします。
 あの舘ひろしが、ださいスーツに猫背で太鼓腹
 翌日から暇を持て余して、奥さんにも嫌がられる
 公園、図書館、スポーツジムはジジババばかりでうんざり
 再就職を目指すが、経歴が邪魔をして中小企業では相手にされない

定年後も顧問などの名誉職で残れるはずですが、まぁフィクションなので。
とにかく「定年後あるある」のコメディなのですね。


さあこの後は迷走です。
 大学院で文学を学ぼうと決心
 まずはカルチャースクールに通い、受付の広末と知り合う
 スポーツジムで新興IT企業の社長と知り合い、顧問に就任
 キャリアを生かして活躍し、大学院もカルチャースクールも中止

この前に「人生をやり直したい」なんて言っていました。
なるほど、あの発言はこの伏線だったのかと、納得です。
何か事情があって、文学を諦めて法学部に進んだのかも知れない。
そして今こそ、本当に学びたいことに向かって踏み出すのか。
そんな風に思いながら見ていました。
それから、広末さんの前で格好つけようとジムも頑張っていました。
ところが。
えぇー?
顧問の話が出て、大学院も広末さんも、あっさり放り出すのですか。
なんと、広末さんには「しばらくスクール行けません」というメールだけ。
あんなに熱を上げていたのに。


更に迷走します。
 IT企業の社長が急死して、社長を引き受ける
 広末さんからの電話で、後日熱海のホテルで会う約束をするが、惨敗

傷心の広末さんから、夜中に泣きながらの電話です。
すぐ駆けつけるのならまだしも、後日のお泊り前提のお誘いとは。
それはまぁ「一度お願いしたい」という気持ちは、よ~く分かりますよ。
だからと言って。
相手の弱みにつけ込んだら、それはもう、ただのエロジジイでしょう。
広末さんの悩みには、的確な助言をしていました。
なるほどとは思いましたが、下心ミエミエではね。


迷走はさらに続きます。
 IT企業は、海外クライアントのトラブルで倒産
 負債3億円を整理して、残った9000万円は社長個人が引き受ける
 個人の資産で8000万円まで何とかしたが、ついに借金1000万円の一文無し

奥さん名義の自宅マンションや店の開店資金は無事だと言い訳しています。
そんな言い方では、奥さんが激怒するのは、当然でしょう。

えーと。
あれだけの経歴ですからね。資産数千万は当然かと思います。
それでもねぇ。
具体的にこんな金額が出ると、現実に引き戻されて一気にシラけます。

そもそも、有限会社や株式会社は「有限責任会社」です。
会社の負債を、社長個人が弁済する法的義務はありません。
この場合は、銀行からの借入金の連帯保証人になっていたのでしょう。
元銀行マンなら、社長就任時にリスクは分かっていたはずですが。


迷走はまだまだ続きます。
 奥さんに家を追い出され、カプセルホテル
 スポーツ新聞で、母校のラグビー部が県大会の決勝に進んだのを知る
 岩手まで応援に行って、旧友たちと再開してどんちゃん騒ぎ
 中の一人が震災復興NPOの代表者で、手伝ってくれと頼まれて承諾
 奥さんとも仲たがい解消、二か月に一度岩手に会いに来ると
 一方広末さんは、奥さんのイトコの恋人になっていた

その場その場の偶然で、流れ流れて。
結局は故郷に流れ着いて、めでたしめでたし。

借金1000万は、どうなったのでしょう?
自己破産したのか、NPOの収入から細々と返済するのでしょうか?

冒頭、太鼓腹猫背にダサいスーツで笑わせました。
ところがその後は、いつもの格好良い舘ひろし。
わずかなジム通いで、太鼓腹は簡単に引っ込んだのですかね。
これだけ見ても、すいぶんと安易な展開と感じます。

奥さんは、美容院の開店準備で忙しく過ごしていました。
ですが、それについては全く興味がない様子でした。
資金計画とか役所の手続きとか、経験を生かした協力も出来たでしょうに。


いやー。参りましたね。これは。
個々のシーンだけ見れば、笑ったり、しんみりしたり出来るんですよ。

大ボケのシーンが、何か所もあります。
 サングラス姿で広末さんを待ち伏せ
 お泊り作戦に失敗して、悔しがって枕をたたきつける
それはもう、あの舘ひろしです。何をしたって笑いが取れますよ。

もちろん、格好良く決めるのはさすが。
美しい共演者に加えて、文学のスパイスまで効かせています。
 桜を眺め、良寛の辞世の句「散る桜 残る桜も 散る桜」なんてつぶやく
 広末涼子さんと、岩手の方言で啄木や賢治について語り合う
 黒木瞳さんと、桜の下で微笑みあう
それはもう、いかにも心地よい見応えのあるシーンになりますよ。

その他、小さなくすぐりやしんみりも満載。
 自家用車クラウンのナンバーは49-89
 笹野高史が髪の毛ふさふさで登場し、かつらを投げ捨てる
 かつてのコーチが、今は老いて認知症

ですけどねぇ。
肝心の人物像は、ブレブレ。
ストーリーは、行き当たりばったり。
会社人間の定年後なんて、そんなモンだと言いたいのでしょうか。


等身大の人物や家族をしっかり描く、是枝裕和監督作品。
喜劇の名手の、山田洋次監督作品。

これらを見た後では、もうね。

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2018年6月18日 (月)

山田洋二監督と是枝裕和監督

先日の「万引き家族」について。
ありがたくも、のもさんからコメントを頂きました。
先行上映で見てきたそうです。
そういえば「DESTINY 鎌倉ものがたり」もそうでした。
いつも映画は先を越されているようで、さすがです(^^)

山田洋二の「家族はつらいよIII」の話も出ました。
ちょうど良い機会です。
常々思っていた、このお二方の対比について、ちょっと書いてみます。

まずは子どもについて。

是枝監督の映画には、子どもが重要な役回りで登場し、その演技が高く評価されています。
例えば2004年の「誰も知らない」。
柳楽優弥は、カンヌ国際映画祭で史上最年少日本人初の最優秀主演男優賞。
もちろん「万引家族」も、幼い兄妹の自然な演技が素晴らしい。

一方、山田監督です。
こちらも、家族を題材にした映画が沢山あります。
ですが、私の知る限り、子どもが活躍するものはありません。

赤ちゃんの時から登場しますが、その辺で遊んでいるだけ。
ストーリーに絡むのは、恋に悩む受験生になってからです。

最近の「家族はつらいよ」の子どもたち。
親の離婚の危機でも、セリフ棒読みでわざとらしく泣くだけ。

例外は「母と暮らせば」の本田望結ちゃん。
いかにもな名演技でしたが、私の感想は以前書いた通りです。

小津安二郎「東京物語」や山田監督リメイクの「東京家族」でも、子どもはホンの添えもの。
あぁ、これですね。
いかにも「昭和初期のお父さん」の感覚というように、私は感じます。


次に、名前について。

是枝監督は、相当なこだわりがあるようです。
今回の「万引き家族」の一家に名前は、みな偽名です。
息子?の名前の「祥太」は、実は父?の本名。
自分の名前を付けて可愛がっています。
不遇だった自分の人生を、取り返すような気持なのでしょう。

主人公の名前は「りょうた」。
 歩いても歩いても 阿部寛 横山良多 2008
 ゴーイング マイ ホーム 阿部寛 坪井良多 2012(テレビドラマ)
 そして父になる 福山雅治 野々宮良多 2013
 海よりもまだ深く 阿部寛 坪井良多 2016
ウィキペディア「海よりもまだ深く」によれば、是枝監督の学生時代の友人の名前とのこと。
監督ご自身の投影なのでしょうか。

一方山田監督は、かなり無頓着のよう。
「男はつらいよ」では、こんな感じ。
 第1作は冬子、第2作は夏子、第4作が春子。
 第36作の小学校の真知子先生に続き、第40作の女医さんがまた真知子先生。
意識して遊んでいる例もありますが。
 1976年の第16作「葛飾立志編」では、小林桂樹が田所という大学教授として登場します。
 これは、1973年の「日本沈没」小林桂樹の田所博士そのまま。

「家族はつらいよ」の小林稔侍さん。
 一作目ではあやしい探偵の沼田、二作目では交通誘導の丸田、今回は医者の角田として登場。


最後に、性的描写について。

是枝監督「万引き家族」では、妹?が姉?に尋ねます。
 ねぇ、いつしてるの?
そうですよね、あんな狭い家ですからね。
観客である私も、そう思いました。
その質問は、はぐらかしていましたが。
真夏の昼下がり、二人でお昼にお蕎麦を食べていて、急にその気になって。
済んだ後に、子どもたちが帰ってきて大慌て。

海街diary」では、オープニングで次女がカレと二人で朝を迎えるシーン。
これは原作通り。
これが夫婦や恋人同士のリアルな日常というものでしょう。

一方、山田監督作品には、ほとんど性的描写はありませんね。
例えば「男はつらいよ」。
第29作では、寝ている寅次郎の元にいしだあゆみ。
第44作では、吉田日出子さんと良い感じ。
もちろん、それ以上は何の進展もありません。

例えば「遙かなる山の呼び声」。
深夜に倍賞千恵子の部屋に来る高倉健。
緊張する倍賞さんに、、、「奥さん、牛が大変だ」。

例えば「小さいおうち」。
 浮気をする松たか子の、鏡を見る目の色っぽいこと。
 帯留めの結び方で、それに気付く黒木華。

こんなもんです。


日常のリアリティを描いて定評のある是枝監督。
日常生活を舞台にしながらも、喜劇の名手の山田監督。
比較しても仕方ないことでした。

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2018年6月14日 (木)

見てきました!!!映画「万引き家族」その2

というわけで、見てきました。

Manbiki_20186
紹介記事から抜粋です。
家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。
東京の下町。
高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、
息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。
彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。
そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。
そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。

うーん。
やっぱり良いですねぇ。

家族の家は、六畳間と四畳半に台所程度の狭くてボロい平屋。
そこで一つのフトンに二人で寝るような生活。
年金とパート程度の収入で、生活費の不足は万引きで補って。
家族それぞれ、重い事情や心の傷を秘めていて。
それでも、狭い部屋でわいわいと楽しそう。

独居老人の家に内縁関係の夫婦が入り込んで。
未成年の三人は、それぞれ孤立や虐待や捨て子。
なんともすごい設定ですが、まったく違和感を感じさせません。
いつもながらの、日常生活の細かな描写によるリアリティのおかげでしょう。

そもそも不法な集まりです。
当然のこと、後半で一家は離散することになります。

各人が警察の取り調べを受けるのですが。
ここからもまた、是枝監督ならではの描写。
ドキュメンタリー風のモノローグ。
これは1999年の「ワンダフルライフ」にも見られた手法。

最後に、家族がばらばらになった、その後の暮らしが描かれます。
中年夫婦や男の子は、それなりに道を拓くでしょう。
裕福な家の女の子はハタチ位。もう自分の力で頑張る年頃です。

気になるのは、一番年下の幼稚園くらいの少女。
親元に戻っても、あまり幸せそうではありません。
ベランダで一人遊びをしながら、遠くに目をやって。

あの子はこの後、どうなっちゃうのか。

うーん。
さすがの見応えです。
「ヒューマンドラマ」という言い方があるようですが、まさにそれでしょう。
ヘビーなテーマながら、過激とか陰惨とかいうような描写は全くなし。
等身大の人間を、丁寧に描いています。
おかげで、様々な思いを抱えながらも、後味すっきり。

敬遠していた「そして父になる」「三度目の殺人」も、レンタルで見てみましょう。

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