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2025年11月15日 (土)

名物「羽二重団子」

足立区の舎人公園で、樹木をスケッチしてみたのですが、、、
我ながら、全然上達しません。
こういうのを「日暮れて道遠し」というのでしょう。

さて帰り道です。
西日暮里駅日暮里・舎人ライナーを降りて、JRに乗り換えるのですが。
ここでオミヤゲを購入。
日暮里の名物「羽二重団子」です。
「日暮れ」にかけた駄洒落のつもりですが、面白くも何ともないですね。
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紙箱4本入りで、1425円(税込)です。
柔らかくて、餡もなめらかで美味しかったです。


このお団子は、先日店の前を通ったのに、買いそびれてしまったものです。
・2025年9月20日(土) 根岸の里の侘び住まい

このお団子は、ウィキペディアにも載っています。
・https://ja.wikipedia.org/wiki/羽二重団子
一部抜粋。
文政2年(1819年)、初代 庄五郎が「藤の木茶屋」を武蔵野国谷中本村字居村(現在地 東京都荒川区西日暮里 付近)に開く。
文人が愛したため、数々の近代文学の作品に記述があることでも知られている。
泉鏡花「松の葉」
司馬遼太郎「坂の上の雲」
田山花袋「東京近郊」
夏目漱石「吾輩は猫である」
正岡子規「道灌山」「仰臥漫録」、その他俳句5句


手元の本を再確認。

夏目漱石「吾輩は猫である」
猫の飼い主である珍野苦沙弥先生と、元書生で今は実業家の卵の多々良三平君との会話。
「行きましょう。上野にしますか。芋坂へ行って団子を食いましょうか。先生あすこの団子を食った事がありますか。奥さん一返行って食って御覧。柔らかくて安いです。酒も飲ませます」と例によって秩序のない駄弁を揮ってるうちに主人はもう帽子を被って沓脱へ下りる。

司馬遼太郎「坂の上の雲」

日露戦争凱旋観艦式の後、海軍軍人の秋山真之が正岡子規の遺族を訪ねた際に、このお店に立ち寄ります。
「めしがあるかな」
と、茶店に入るなり、松山なまりで小女にいったために、返事もしてもらえなかった。この茶店は「藤の木茶屋」とよばれて江戸のころからの老舗なのである。
団子を売る茶屋で、めしは売らなかった。その団子のきめのこまかさから羽二重団子とよばれて往還を通るひとびとから親しまれている。
「団子ならありますよ」
と、小女がいった。真之はやむなく団子を一皿注文した。


先日前を通って寄れなかった「子規庵」も一度行ってみなくては。
https://shikian.or.jp/

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2025年8月25日 (月)

連載終了「新仮面ライダーSPRITS」その2

私が気に入っていた漫画、村枝賢一「新仮面ライダーSPRITS」ですが。
2025年8月6日発売の月刊少年マガジン9月号で最終回を迎えたようです。
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私は、かなり前に脱落しました。
最終回を迎えたからと言って、今さら数十巻をフォローもできません。
ですが、25年の長期にわたり描き続けて、ちゃんと終わらせる。
それだけでも、大変立派なことだと思います。

それにひきかえ。
ということを書こうと思ったのですが。
以前も書いていましたので、省略します。

・2022年11月27日(日)  映画「THE FIRST SLAM DUNK」雑考
この映画の成否の心配はさておき。
私が言いたいのは、、、
映画の前に、やることがあるのではないですか?
ということです。
井上雄彦さんの代表作について、ウィキペディアで確認。
「SLAM DUNK」
連載:週刊少年ジャンプ 1990年42号~1996年27号
コミックス:全31巻
「バガボンド」
連載:週刊モーニング 1998年~2015年(以後休載)
コミックス:既刊37巻 2014年7月 ←【8年前!】 ※3年経過し11年前になりました
「リアル」
連載:週刊ヤングジャンプ 1999年48号~連載中
コミックス:既刊15巻 2020年11月 ←【2年前!】

※ただ今確認しました。
「リアル」は、2024年8月に4年振りの新刊、16巻が出ていました。

おまけです。
第1巻に大感激という人は、世の中に結構いらっしゃるようです。
一部無断転載、失礼します。

deahiro’s blog
https://deahiro.hatenablog.com/entry/54197298
トップ > 仮面ライダー > キサマの作戦目的とIDは!?の事。
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2025年8月24日 (日)

連載終了「新仮面ライダーSPRITS」

こじつけですが。
「スーパー戦隊」とくれば、次は「仮面ライダー」ですね。
私が気に入っていた漫画、村枝賢一「新仮面ライダーSPRITS」ですが。
2025年8月6日発売の月刊少年マガジン9月号で最終回を迎えたようです。
Muraeda_x_202508
へぇ~。
まずは、ウィキペディアから抜粋。

仮面ライダーSPIRITS
掲載誌:月刊マガジンZ
発表号:2001年1月号 - 2009年3月号
巻数:全16巻
話数:全95話
ここで、掲載誌「月刊マガジンZ」が休刊。
「月刊少年マガジン」に移籍して「新」がスタート。
新 仮面ライダーSPIRITS
掲載誌:月刊少年マガジン
発表号:2009年8月号 - 2025年9月号
巻数:既刊41巻(あと一巻)
話数:全188話


仮面ライダーSPIRITSについて。
最初の3巻は、1号からスーパー1までを主役とした第一部。
これが、ものすごく良かったんですよ。
名シーンを、ふたつご報告。

滝和也は、バトルスーツやショットガンで武装し、コウモリ怪人の本拠地に乗り込む。
ザコは倒せるが、大コウモリ怪人には手も足も出ない・・・
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敵は多いな
滝‥‥
いや……
たいした事はないか‥‥
‥‥今夜は
お前と俺で
ダブルライダー
だからな

東南アジア「ガモン共和国」は、長く続く内戦状態。
虐殺を重ねる敵に立ち向かう、仮面ライダー2号。
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ほほぉ‥‥
いい性能だな
キサマの作戦目的と
IDは!?
正義
仮面ライダー2号


その後「仮面ライダーZX」をベースとした、長編ストーリーになります。
このキャラクターは、ただ一回だけの特別番組でテレビ放送されただけです。
それをベースに、よくもまぁ長期連載に持ち込んだものです。

「世界征服を目論む秘密結社全てを束ねる巨大組織BADAN」との戦闘が、延々と描かれます。
アメリカ空軍をはじめ、世界中の正規軍が壊滅。
その後、1号からスーパー1までの9人のライダーが、世界各地に散って共闘したりヤラれたり。

これが延々と続いたと思ったら、掲載誌の「月刊マガジンZ」が休刊。
「月刊少年マガジン」に移籍して「新」がスタート。
当初は、仮面ライダー2号の物語でスタートしました。
ここまでのストーリーを打ち切って、仕切り直しなのかと思いましたが。
2巻の半ばから、元のストーリーに復帰します。


私は、この「新」の初めで脱落しました。
第一部の初めが大変良かったので、頑張って追いかけていましたが。
世界中で同時進行して深刻化複雑化するストーリーには、付いていけませんでした。

このブログで「超おすすめ」した頃には、すでに脱落・・・
・2013年12月17日(火) がんばれライダーマン
村枝賢一さんの「仮面ライダーSPIRITS」(講談社コミックス)も、超おすすめです。
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その後も、第1巻だけは読み返すこともありますが。
それ以降は、もうねぇ。
最終回を迎えたからと言って、今さら数十巻をフォローもできません。

ですが、25年の長期にわたり描き続けて、ちゃんと終わらせる。
それだけでも、大変立派なことだと思います。

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2025年7月11日 (金)

見てきました!!! 午前十時の映画祭15「砂の器」その2

映画「砂の器」について。
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公式サイトから2行拝借。
『砂の器』は1974年10月に公開されて大ヒット。
当時の配収7億円は、『日本沈没』『ノストラダムスの大予言』に次ぐその年の3位の高成績だった。


以下、思いつくままに。

題名の「砂の器」。
映画の冒頭と、最後の親子放浪のシーンで、子どもの一人遊びが描かれます。
砂山を作り真ん中をくぼませ水を注いで、砂をすくい上げ、それを板の上に並べています。
簡単に崩れ去ってしまう、砂の器。
そこから何を感じ取れば良いでしょうか。

「らい病」にからむシーン。
犯人は、妊娠した愛人が子どもを一人で産み育てると言うのを、厳しく拒絶します。
「らい病」の遺伝を恐れたのでしょう。
愛人役の島田陽子さんが、大変美しい。
ベッドから起き上がる際に、ちらっとおっぱいも見せてくれました。

刑事は「らい病」の療養施設にいる犯人の父を探し当てます。
犯人である現在の息子の写真を見せるが、父は「知らない」と言い張る。
今の自分の存在が、息子のためにならないと直感しての言葉なのでしょう。

うーん。
以前、軽井沢の施設を見学したことがあります。
・2014年7月26日(土) Breva750で「重監房資料館」を見学


推理小説の分類で、以下のような言葉があります。
・フーダニット(Who done it?)
「誰が殺ったのか?」犯人の解明
・ハウダニット(How done it?)
「どう殺ったのか?」犯行方法の解明
・ホワイダニット(Why done it?)
「なせ殺ったのか?」犯行動機の解明

この映画は、この三要素の比率が独特です。
「誰が」について。
犯人に行きつくまでの刑事の努力が、じっくりと描かれています。
映画前半の大きな見どころです。
「なぜ」について。
自分の過去を知る被害者を殺害したという、出来事だけが描かれます。
犯人が子どもの頃、親身に面倒を見てくれた元警察官です。
偽名で社会的成功を得ていることを暴露するようなことも、しないでしょう。
ではなぜ犯人は、、、様々な議論ができそうです。
「どう」について。
殺害のシーンも、死体さえも一切描かれません。
先のような見どころを思えば、それらはもう、どうでも良い要素ということでしょう。


ちょっとどうかと思う部分。
犯行時の血の付いたシャツを、細かく切って列車の窓から捨てる。
それを目撃した人がいて、物的証拠の発見につながる。
いやいやー。
窓から捨てたりしないで、どこかに埋めるとか燃やすとか。
いくらでも方法はあるでしょう。


その他にも、見どころは一杯。

1974年作品ですからね、街並みや風俗の面白さ。
やたらとタバコをふかしていたり、場末感漂う街並み。
街を行くのは、スピンドルシェイプのクラウン510ブルーバード
刑事の出張は、固そうなボックスシートの夜行列車。
当時は当たり前だったのでしょうが、今の感覚では相当に大変そう。

細かい話ですが。
コンサート会場は、我が埼玉県の「埼玉会館」でした。
しばらくご無沙汰ですが、若い頃に何度も行った場所で、ちょっと懐かしい。

キリがないので、このへんで。


ちょっと原作も、読み返してみましょう。
手持ちは処分してしまいましたので、図書館で借りてきました。
私の好きな、スピン=しおりひも の付いている新潮文庫。
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2025年7月10日 (木)

見てきました!!! 午前十時の映画祭15「砂の器」

映画「砂の器」
製作国:日本
製作年:1974年
カラー:カラー
スクリーンサイズ:スコープ
上映時間:143分
監督:野村芳太郎
出演者:
丹波哲郎
加藤 剛
森田健作
島田陽子
山口果林
笠 智衆
加藤 嘉
原作:松本清張
脚本:橋本忍・山田洋次
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公式サイトから2行拝借。
『砂の器』は1974年10月に公開されて大ヒット。
当時の配収7億円は、『日本沈没』『ノストラダムスの大予言』に次ぐその年の3位の高成績だった。


まずはジジイの昔語り。

この映画の公開当時、私は高校生。
友人とこの映画を見に行ったのですが、、、
大混雑のせいか友人が貧血を起こして、ロビーのベンチで休んでそのまま帰ってきました。

松本清張の原作は、その頃に読みました。
当時の私は、文庫本なら「時速100ページ」で幾らでも読み続けられた乱読時代。
この本も、さほど私の好みでもなかったのですが、流行っていたので一応読みました。
細かい部分までは覚えていませんが、特にすごく良いとは思いませんでした。

犯人と父親の放浪の原因が「らい病」なのですが。
あの頃は、不治の病を扱った小説や映画などが、多くありました。
・吉永小百合の「愛と死をみつめて」、
・恋人の日高美奈が亡くなる「巨人の星」
・アメリカ映画「ある愛の詩」 などなど。
世間知らずのガキだった私は「あぁ、よくある難病ものね」といった受け止めでした。
病の苦しみ、不条理な差別など、自分には関係ない世界の話のように感じていました・・・


というわけで。
この映画は見る機会もなく、50年もたってしまいました。

当時を懐かしく思い、さほど期待もせず見に行ったのですが。
いやー。
すごく良かったです。

殺人の被害者は、誰にも恨まれることのない善人の元警察官。
彼を殺害したのは誰か?
じりじりと暑い夏。
地道な捜査を続け、真実に迫る刑事たち。

犯人は、順風満帆の人生を歩む新進気鋭の音楽家。
実は偽の戸籍で暮らしており、悲惨な出生の秘密を抱えている。


ミステリーとして、謎解きの部分も面白いのですが。
見どころは、クライマックスの演出。
以下の三つの情景が、交互に描かれます。

犯人は、新曲の「宿命」のコンサート会場で、重厚なピアノ演奏を披露します。
気がかりだった愛人もすでに亡くなり、満員の会場には、婚約者とその父親。
まさに人生の絶頂です。

それに重ねて、捜査会議で殺人に至る経緯の説明。
刑事は、犯人の出自や犯行動機の説明で、その宿命の悲惨さに、声を詰まらせます。

更に、犯人の子ども時代の情景。
父の「らい病」で、故郷を追われて放浪の旅を続ける親子の姿。
初めは巡礼姿ですが、時を経てみじめな姿になっていきます。
「乞食浮浪者犯罪者、当村に入るべからず」といった立札。
心ない駐在の警察官に追い払われたり。
子どもが石を投げて来たり。
見かけた小学校の様子を、じっと見つめる子ども時代の犯人。
そして、人情味ある警察官により救われるまで。

最後は、コンサート会場の裏手で、犯人の姿を見下ろす刑事。

いやー。
もうたまりません。
高校生のガキだった私も、今や60代後半です。
大した出来事もない平々凡々の人生ではありますが。
あれこれと思い浮かぶこともあり、やはり胸に迫るものがありますね。

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2025年1月18日 (土)

筒井康隆 小説「敵」読了 その2

2025年1月17日(金)公開の映画で「敵」というのがありまして。
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原作は、1998年に出版された筒井康隆の小説です。
おぉ。
これは懐かしい。

星新一小松左京筒井康隆をはじめ、平井和正半村良眉村卓光瀬龍高斎正広瀬正といった方々。
1970年に中学生になった私は、これらの方の文庫本を買い揃えるのが楽しみでした。
その後アルバイトでお小遣いに余裕が出る年頃には、ハードカバーの新作を楽しみにして。
朝の通学電車で友人と「ねぇ、今度出た新作読んだ?」などと話すのが楽しみだったり。
日本SF小説の第一期をリアルタイムで体験する。
思えば、ずいぶんと幸せな話です。

中でも、筒井康隆の初期のナンセンスやブラックユーモアに満ちた作品群は、好きでした。
少し背伸びをしたい中高生には、まさにツボだったように思い出されます。
その後の筒井康隆の作風の変化も、私にはちょうど良かったように思います。

そしてこの作品は、筒井康隆中期の傑作。
「旅のラゴス」などの後、断筆宣言騒ぎがあり、その後の作品。
この後も「私のグランパ」など良作が続きます。

この頃は、私ももう40代の中年男になっていました。
そして今や「敵」の主人公に近い年齢・・・

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2025年1月17日 (金)

筒井康隆 小説「敵」読了

2025年1月17日(金)公開の映画で「敵」というのがありまして。
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原作は、1998年に出版された筒井康隆の小説です。
おぉ。
これは懐かしい。
60代半ばの私には、星新一筒井康隆小松左京など、初期の日本SF作家は大好物です。

もちろん映画は見に行くとして。
その前に、原作小説を読み返さなくては。
当時のハードカバーが、ダンボール箱の奥底にあるはずなのですが、、、
利便性優先で、キンドルで買い直しをしました。
一度読み通して、最初からもう一度読み直して。
キンドルの検索機能で、登場人物の描写の履歴などチェックしたり。
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作品概要は、アマゾン解説文を抜粋します。
渡辺儀助、75歳。
大学教授の職を辞して10年。愛妻にも先立たれ、余生を勘定しつつ、ひとり悠々自適の生活を営んでいる。
料理にこだわり、晩酌を楽しみ、ときには酒場にも足を運ぶ。

この作品は、1998年発売。
筒井康隆氏は1934年生まれ。当時64歳。
私がこの作品を読んだのが40代前半、そして今は出版当時の作者の年代になりました。
主人公に近い年齢になり、やはり読後感は変わってきます。


主人公は、75歳の元大学教授。
生活のディティールが、ごく短い章立てで、詳細に描かれます。
料理や家計や友人関係や仕事などなど。
手を抜かず、自分の好みを貫く生活。
主人公の年齢に近づいてしまった今、これらの描写は、昔よりずっと好ましく感じます。

日常生活の中に、夢や独り言や妄想の描写が入ります。
夕食時、妄想の相手と口論になり、つい大声を出す。
翌日、隣家の人から「昨晩はお客様でしたか」などと言われてしまったり。

若い頃は、単純に「ボケ老人・認知症」の描写だと思いましたが。
いやいや、それより「明晰夢」の方が気になります。
どなたも経験があるでしょう。
明け方に見る、リアルな夢。
現実だと思っていると、目が覚めるにつれ、なんだかおかしいことに気付いてくる。
な~んだ、夢だったのか。
というような。
その延長での「妄想癖」
先のように、独り言が聞こえる程度で、誰に迷惑をかける訳でもなく。
結構じゃないですか。


四半世紀前の小説ですので、時代を感じる描写もあります。
主人公は喫煙者で、健康上の問題など無いと信じ込んでいます。
「がーほがほげほごほがほげこげこ」
私も当時はこんな感じでしたねぇ。
他人が見るほど本人はつらくない、というのも面白い視点です。
もう一つ。
インターネット以前の「パソコン通信」の描写。
当時の「朝日ネット」が登場します。
実名公開が原則で、文芸に強いプロバイダーでした。
他にもアスキーネットとかニフティサーブとか、それぞれ特徴があって。

おっと話がそれました。
作品のタイトル「敵」は、このパソコン通信のエピソードとして描かれます。
ネット上の会話の中で、こんな話が出てきます。
「敵です。敵が来るとか言って、皆が逃げ始めています。北の」
もちろん、現実のニュースや東北の街なかでも、何も起きていないと語られます。
一体何が起きているのか、それとも何も起きていないのか。


先のアマゾン解説文では、この「敵」の内容には触れずに、以下のように続きます。
年下の友人とは疎遠になりつつあり、好意を寄せる昔の教え子、鷹司靖子はなかなかやって来ない。
やがて脳髄に敵が宿る。恍惚の予感が彼を脅かす。
春になればまた皆に逢えるだろう……。哀切の傑作長編小説。

一方、映画の公式サイトのストーリー紹介の後半部分です。
いつしかひとり言が増えた儀助の徹底した丁寧な暮らしにヒビが入り、意識が白濁し始める。
やがて夢の中にも妻が頻繁に登場するようになり、日々の暮らしが夢なのか現実なのか分からなくなってくる。
「敵」とは何なのか。逃げるべきなのか。逃げることはできるのか。
自問しつつ、次第に儀助が誘われていく先にあったものは――。


うーん。なるほど。
小説の方では哀切と表現しています。
一方映画の方では。
意識が白濁とか、分からなくなってくるとか。
おどろおどろしい表現が並びます。
まぁ、そもそも小説とは別物ですし。
映画は多くの人の興味を引き付けて、集客しなくてはなりませんし。
こういった表現も仕方ないのでしょうが。
それでも、見ない方が良いような気もしてきます・・・

それよりも。
この小説を読んだら、翌1999年の筒井康隆作品「私のグランパ」も、続けて読み返したくなりました。
こちらも主人公は高齢の男性ですが、刑務所から出てきた祖父と女子高生の明るい話です。
私は見ていないのですが、菅原文太の主演で映画化もされています。
女子高生役は石原さとみ、女優としてのデビュー作。
こちらの映画の方が、見てみたくなりました。

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2024年12月25日 (水)

山形県鶴岡市来訪記念「藤沢周平」

私は60代半ばをすぎたジジイです。
ジジイの好物と言えば「歴史小説・時代小説」。

こんな言葉をどこかで見聞きしたことがあります。
日本男子の嗜みとして読むべき作家「一平二太郎」

藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎のこと。
この言葉の出所は分からないのですが。
ウィキペディアにも、ちょっと記載があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/司馬遼太郎

私もこの三人は大好きで、代表作はほとんど読んでいます。
例えば「用心棒日月抄」や「剣客商売」シリーズなど。
もう何度読み返したかわかりません。
機会があれば、ゆかりの地を訪ねるのも、楽しみです。

というわけで。
先日行った山形県鶴岡市は藤沢周平の故郷。
各地に「その作品とゆかりの地」の掲示があるようです。
今回寄れたのは、はこの二か所だけ。

義民が駆ける 藩校致道館
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龍を見た男 龍沢山善宝寺
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内容について語りだすとキリがなくなりそうなので、省略します。
手持ちは、いずれも新潮文庫。
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今でも「スピン=栞紐」が付いているのは、実質この文庫シリーズのみ。

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2024年12月19日 (木)

「マイティジャック」私の思い違い

私は60代半ばをすぎたジジイです。
私にとっては、福島県須賀川市「特撮アーカイブセンター」の展示品は、もうたまりません。
https://s-tokusatsu.jp/
・2022年8月1日(日) 行ってきました 須賀川市「特撮アーカイブセンター」
・2024年12月8日(日) 東北の主に鉄道関係あちこち その5

その中で、私の好きな「万能戦艦マイティ号」について。
私が小学校高学年の頃のテレビ番組「マイティジャック」と「戦え! マイティジャック」の主役メカです。
「特撮アーカイブセンター」収蔵品の画像がこちら。
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翼端の薄い箱は、当時の雑誌の図解では「逆噴射ロケットエンジン」と説明されています。
これが翼と同じ角度で付いていて、翼全体で「ハ」になっています。
失礼してネットで拾った、イマイのプラモデルの箱絵などでも、同様です。
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うーん、
翼に対して角度があり、翼全体で「W」になっていたと思います。
YouTubeで拾った、テレビ番組「戦え! マイティジャック」のオープニング映像です。
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放映された話によって、違ったりするのでしょうか?

子どもの頃は、両端が「水平」だと思い込んでいました。
YouTubeで拾った、テレビ番組「 マイティジャック」のオープニング映像です。
これですと、まぁまぁ水平に見えています。
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ネットで簡単に画像検索が出来るようになって、そうではないと分かり、ちょっとがっかり。
私としましては。
今でも「水平」の方が格好良いと思っています。
まぁ、それだけの話なのですが。


ついでに、私の思い違いを、もうひとつ。
テレビ番組の主題歌について。

曲名は、シンプルに「マイティジャックの歌」
作曲は、あの冨田勲
作詞は、清瀬かずほ。ウルトラシリーズの監督「満田穧(みつたかずほ)」氏のペンネーム。

さて歌詞の内容ですが。
ネット上の歌詞検索サイトで見つかる歌詞は、子ども用にひらがなカタカナを多用しています。
格好悪いので、適宜漢字アルファベットで書いてみます。

マイティジャックの歌

青い海に映える影
Oh! it's The Mighty Jack
遠い南の珊瑚礁
朝日が波に光る頃
マイティジャックは行く
Mighty Jack is going
Mighty Jack is going

茜雲をよぎる影
Oh! it's The Mighty Jack
遙か北のツンドラ
夕日が雪を染める頃
マイティジャックは飛ぶ
Mighty Jack is flying
Mighty Jack is flying

私の記憶違いというのは、ここです。

マイティジャックは「行く」
 ↓
マイティジャック「舞い来る」

子どもの頃に聞き違えて、ずっとこうだと思い込んでいました。
ネットで簡単に歌詞検索が出来るようになって、そうではないと分かり、ちょっとがっかり。
私としましては。
今でも「舞い来る」の方が格好良いと思っています。
まぁ、それだけの話なのですが。

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2024年11月11日 (月)

Web漫画サイト 早川書房「ハヤコミ」

こんなサイトを発見しました。
https://hayacomic.jp/
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早川書房PRESENTS
HAYAcomic ハヤコミ
SF・ミステリのマンガが大集合!
名作・話題作をコミカライズ&
ジャンル愛あふれるオリジナルコミック
Yahacomic_202411_2

あの早川書房が2024年7月23日に立ち上げたそうです。
雑誌「ミステリマガジン」「S-Fマガジン」の出版元。
単行本では、ハヤカワ・ポケット・ミステリSFシリーズで名作を沢山出しています。
とは言え、出版業界はどこも苦しいでしょう。
老舗の出版社、攻めに出たのですね。

ラインナップをチェック。
おぉー。
スタニスワフ・レムの「ソラリス」
ガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」
アイザック・アシモフの「銀河帝国興亡史」
いずれも歴史的な名作。
一方、私の聞いたこともない作品も並んでいます。
例えば「同志少女よ、敵を撃て」
ウィキペディアでチェック。
第11回アガサ・クリスティー賞を受賞したデビュー作。
第166回直木三十五賞候補に挙がり、2022年本屋大賞及び第9回高校生直木賞を受賞。
なるほど。
いずれも最初の数話は無料でその後はポイント制という、一般的な手法。

60代半ばを超えた私は、先のような長編小説を紙で読むのは、つらくなりました。
以前にも書きましたが、キンドルや青空文庫などの電子書籍がありがたい。
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更に、コミカライズですからね。
気軽に楽しめそう、、、と思ったのですが。
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Yahacomic_202411_3
うーん。
この絵柄では、私はちょっと・・・

若い人が食いついて、原作にも手を出す。
そんな好循環が生まれると良いのですが。

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より以前の記事一覧